こんにちは。
本ブログ「管理職の悩み」の管理人の「悩める管理職」です。
皆様の職場では、「安全衛生」の取り組みについていかがな様子でしょうか?
十分に取り組めているよ、とは言えない職場の方が
圧倒的に多いのが現実だと思います。
しかしその背景には様々な事情があると思います。
本記事では、中小企業に所属する管理職が職場の衛生管理者を兼務し、
どうにもし難い現実について情報共有するべく、
同じような悩みを抱える皆様の役に立てますよう、
書かせていただきたいと思います。
もくじ
1 中小企業は兼任が多いため行き届かない
2 安全に配慮して作業できるほど十分な時間がない
3 専門知識が必要だが、勉強しようとする人がいない
4 精神的な病気は対応が難しい
5 腰痛持ちも対応が難しい
6 まとめ 安全衛生の機運も高まることなく続いていくのだろう
1 中小企業は兼任が多いため行き届かない
私が所属している組織は地方の1中小企業であり、
「安全衛生」に対する体制は確立されているとはとても言えません。
また部門のリーダーである私は、たまたま資格を持っているということで、
漏れなく「衛生管理者」の役割があてがわれております。
部門のリーダーとして、日常的に煩雑な仕事に追いかけられ
振り回されている私にとって、
安全衛生面も同時に充実させるのは至難の業です。
しかしひとたび労災が発生すれば、程度の問題もありますが、
ケガに対する心配はもとより欠勤によって発生するチーム内メンバーの残業、
労災手続きの煩わしさ、上に提出する報告書等、
さまざまな余分な仕事が発生します。
このような体制の中で、社員の労働安全衛生に対しては、
半ば祈るような心境で日々運営されているような状態です。
2 安全に配慮して作業できるほど十分な時間がない
現実的な問題として、
安全性や健康面を最優先にして業務を組み立てることは困難です。
安全について指導する側も、安全を優先しながら作業する側も、
時間的なものが十分ではないのです。
衛生管理者の試験勉強の教科書にも出てきた話ですが、
かつて1900年台初頭、アメリカUSスチールの社長ゲーリーは
「安全第一、品質第二、生産第三」を掲げ、安全を最優先した結果売上が伸びた、
という逸話があります。
私だけでなく誰もがうなずける話です。
そうは言っても、所詮1部門のリーダーでしかない私が、
社内で大々的に「安全最優先のため業務形態を変えます」とか、
「衛生管理者の業務を徹底的にやりますので、他の管理業務が疎かになります」
などと言えるはずがないのが現状です。
しかしながら部門内で労災を発生させてしまうと、
他部門や上に対して非常にバツが悪いことになってしまいます。
何とも不条理な話でありサラリーマンとして辛いところです。
このような境遇に置かれている管理職の方も、結構多いのでは?と思います。
3 専門知識が必要だが、勉強しようとする人がいない
安全衛生を管理・指導する側の人が多くいれば体制を築きやすくなります。
ところが安全衛生は専門知識がある程度ないと推進・啓蒙していくのは
困難な分野です。
指導される側の人も、資格を持っていない人からどれほど強く指導されても、
納得感を持てず率先して自主的に取り組もうという気にはなりません。
使命感を持って資格を取る人が増えてくれると嬉しいのですが、
こればかりは義務として課すわけにはいかないのが現状です。
4 精神的な病気は対応が難しい
「うつ病」というものが正式に病気と認定されたのは、
いつ頃のことだったでしょうか。
私がまだ若い頃は、世間では聞いたこともなかったような名前です。
以前に受講した「うつ病」をテーマにした安全衛生講習での話ですが、
1990年台の急激な増加を受けて注目を浴び始め、
ついには社員の自殺を職場の環境が原因のうつ病によるもの、
と裁判で労災と判決した話は有名です。
また、日本では全人口の約6%が発症しているといわれています。
誰でもがうつ病になる可能性がある、とまで言われています。
このような精神的な病気には、私のような素人ではなく
プロの専門家に対応してほしいというのが本音です。
5 腰痛持ちも対応が難しい
精神的な病気に続いて「腰痛持ち」も対応が難しいですね。
こちらも勿論ですが、患っている本人にとっては大変なことだと思います。
その先の人生、腰痛と一生上手に付き合っていくという人も見受けられます。
過去に私も2度、「ギックリ腰」をやってしまった事がありました。
自分の注意が足らなかった事を後悔しつつ、
翌日の休日に接骨院のお世話になった事をよく覚えています。
幸いにも私は1~2週間で完治しましたが、
人によっては一生接骨院通いという人もいます。
職場で厄介なのは、腰痛持ちの作業者に対してどのような待遇にするべきか、
という問題です。
腰痛持ちでも十分対応できる作業があれば、配置換えを行えばよいのですが、
それがない場合は難しくなります。
まず、周りの皆から十分に理解を得られるか、という問題です。
忙しい部署では真っ先にお断りとなるでしょう。
次に評価の問題です。
腰痛持ちの人に一人前と同等の作業を強要すると、
下手をすれば「パワハラ」とも言われかねませんので、
減免させた量を受け持たせるしかありません。
そうすると評価の方にも明確に反映させなければ、
誰もが納得せず組織に亀裂が生じます。
そのような背景がある腰痛ですが、持病の中でも高い割合の腰痛持ちではある反面、
安全衛生面からの注意を促すのは精神的な病気に比べると容易に感じます。
腰痛持ちをなるべく現状より増やさないようにありたいものです。
6 まとめ 安全衛生の機運も高まることなく続いていくのだろう
安全衛生の取り組みをどこまで徹底的にやるか、
あるいはどの程度重要視するか、
は経営者の考え方に大きく左右されます。
名の通った大企業であれば、社会的責任やイメージ戦略の観点からも、
安全衛生は絶対に疎かにはできません。
しかしながら多くの中小企業では、
人や時間など様々な問題から十分に取り組めていないのではないでしょうか。
私など安全衛生のセミナーに参加させてもらえるくらいですから、
まだ良い方だと認識しています。
せめてケガや災害によって不幸になる人が出ない事を祈るばかりです。
街を走っていて、緑十字の「安全第一」と大きく誇らしげに
工場の壁に書かれた様子を見ると、
つい羨ましくなり励みになるのは私だけではないと思います。
今回は職場の安全衛生に悩む管理職の皆様と共有すべく書かせていただきました。
最後までお読みいただきありがとうございました。