以前、我が部門にちょっと困った中間管理者がいました。
彼はとても真面目で一生懸命で、人から嫌われたり恨まれたりということは
決してないような人柄でした。
ところがいつまでたっても成果が出ないどころかミスやトラブルが減らず、
パフォーマンスが低いままなのです。
そんな彼に「出来るマネージャーの5つの考え方」を指導しました。
あわせて「出来ないマネージャーの特徴」を紹介しつつ、
私なりに常々考えている組織管理方法について触れていきたいと思います。
もくじ
1 ちょっと困った中間管理者について
2 出来ないマネージャーの特徴
3 出来るマネージャーの5つの考え方
4 まとめ
1 ちょっと困った中間管理者について
その中間管理者は、人柄もよく信用でき、
友達として付き合うなら文句ないような人でした。
彼は毎晩のように最後まで会社に残り、人一倍忙しそうにしていました。
ところが、彼の組織からは小さなミスが絶えません。
数年経ったのに部下が成長している様子も伺えません。
一生懸命に人一倍頑張っているつもりなのに、
彼の組織はパフォーマンスが低いのです。
関連した部署からは苦情が出始めます。
重要な仕事があっても、彼に任せることはできません。
彼の直属の上司である私も、徐々に彼に対するイライラが蓄積されていきます。
彼自身も、一生懸命頑張っているのに、この状況に対してどうすることもできず、
だんだん疲弊していきます。
私も悩んだ挙句に、無理にでも時間を作り、
彼とじっくりお付き合いすることに決めました。
彼の組織管理に対する考え方について、
じっくり聞いてみるところから始めていきました。
彼はその真面目さから、何でも自分がやらなければいけないと考えていたようです。
どうやら彼の脳の中には、マネージメントに対する考え方がないようで、
その必要性に気付き実行していけるまでお付き合いしました。
素直で純粋な彼は私の話を一生懸命に聞いてくれて、
組織管理のスタイルを少しずつ変えていくことができました。
彼に限った話ではありませんが、中間管理者として時々見かける
「出来ないマネージャーの特徴」について、以下に続けていきます。
2 出来ないマネージャーの特徴
① 承認欲求が強い
周りに認めて欲しいため何でも引き受けるが結果はボロボロ
自分の無能さに気が付いていないため、「引き受けてあげたい」と勘違いしている
「あの人は忙しそう」と思われることが快感だと思っている
実はプライドが高い
② 強いリーダーシップがない
人に嫌われないように、人の意見を聞いてしまう(尊重する、ではない)
批判されることを恐れる
判断して行動を起こすのが遅い、または動かない
③ 信頼を失わないことに必死になっている
意味がないことに時間をかける(どうでもいい事に丁寧すぎる)
細かい事でも全てにチェックを入れて不備がないようにする
それが信頼されることであり、正しい管理だと思っている
④ 自分に軸がない
決定力がない
人当たりがいいだけで、じつは周りからは信頼されていない
⑤ 彼には権限移譲できない
責任を果たそうとして、より細かいところにまで目を向けていこうとするため、
あまり意味のないことに際限なく時間を注ぎ込んでしまい、
大事なことに時間をかけられない
残業に制限をかけると、サービス残業する。
⑥ チェックすることが全て
自分の部下たちの行動を隅々までチェックし、
どんなに小さな事でも不備があれば1つ1つ、
1人1人に自分が注意して処置する
3 出来るマネージャーの5つの考え方
① 仕事を抱え込むことは恥ずかしいことだ、なぜならそれは
いつまで経っても個人の財産でしかなく会社の財産とはならないからだ
② 「自分でやった方が上手く早くできるから」や、
「感覚が大事な作業だから明文化することはできない」
などと思い込んでいることを払拭し、具体的にマニュアルを作り、
部下にやらせて引き継いでいく
③ 自分と同じような才能のある人が部下になることはないため、
誰でもが出来る「仕組み」を作ることこそが自分の仕事だ
④ 自分がいなければ仕事はまわらないという発想を捨てさせ、
「自分がいなくてもこの仕事をまわるようにするにはどうしたらよいか」
を考える
⑤ 「自分が責任を持ってやってきた仕事」は、
「これからも自分がやっていく」ではなく、
「他の人でも責任を持ってこの仕事をやっていくにはどのような仕組みを作ればよいか」を考える
4 まとめ
私は、組織において中間管理者の存在は、
ある意味「核」を成しているといっても過言ではない程に重視しています。
あわせてお読みください
組織改革のカギはコレだ!「中間管理者への権限委譲」
https://kannrishoku-1100.info/the-key-to-organizational-reform/
もちろん中間管理者もそれぞれキャラクターが違います。
それぞれの良いところを活かした組織作りを心がけていますが、
組織管理において重要なマネージメントの考え方は、
中間管理者全員に浸透させなくてはならないことだと私は考えています。
今回はこのあたりでご無礼させていただきます。
最後までお読みいただきありがとうございました。