時代が急速に変化する中においても、企業は常に「利益」を追求しなければなりません。
そのための取り組みの中から、今回は「コスト意識」というものに注目します。
コスト意識を高める方法5つと、それをどのように組織全体に浸透させていけばよいかについて、かれこれ10年ほど管理職を経験している私から解説させていただきます。
もくじ
- コスト意識を高める5つの方法
- なぜコスト意識を高めないといけないのか?
- コスト意識とは何か?
- 「コスト意識」を組織内に浸透させていくには?
- まとめ
コスト意識を高める5つの方法
最初に方法から解説します
5Sの徹底
整理・整頓・清掃・清潔・躾を徹底することで社員の“考え方”や“行動の質”を変え、それによりモノ・設備・業務進捗・情報等の管理レベルの基礎を向上させる
5Sは、コストを意識させるのに非常に有効な方法である
5Sについての詳しい記事はこちらをご参照ください「5S活動」恐るべし!
あらゆる作業やツールの標準化
標準化すること自体にも多くのメリットがあるが、あらゆる物事を標準化していこうという考え方はコスト意識と連携している
3ム・ダ・ラ・リの排除
職場内で発生する無理・無駄・ムラをなくしていくと働きやすい職場となり、その取り組みを通してコスト意識が浸透する
適材適所による最適なフォーメーション
同じ作業をするのにも、得意な人がやるのと苦手な人がやるのとでは、かかる時間に大きく差がある。適正を見極めて最適な人材配置をすることで、時間の短縮だけでなく、社員が働きがいのある職場だと感じることで組織風土改善につながる
適材適所についての詳しい記事はこちらをご参照ください
生活残業の排除
生活残業とは、
「企業で働く従業員が残業代を稼ぐことを目的として、意図的に残業する行為」
生活残業によって生活費を得ている従業員もいるため問題解決は難しいが、組織にとってはデメリットが多いため、早急に対策を講じる必要がある
コスト意識を浸透させるにあたっては間違いなく阻害要因となる
コスト意識を高める方法を5つ解説しましたが、ではなぜコスト意識を高めないといけないのか、以下で解説いたします
なぜコスト意識を高めないといけないのか?
コスト意識を高めることは、すなわち利益追求の一環である
企業にとって最も大切なもの ⇒ 「利益」
どんなに素晴らしい経営理念を掲げていても、どんなに素晴らしい新商品を開発しても、利益がなければ企業は存続できない
しかし時代の急速な変化に対応しながらも利益を出し続けるのは非常に難しい
労働人口の減少、産業の変化、働き方の多様性などの逆風の中、組織をどのようにマネジメントしていくかによって利益が出せるか出せないかが決まる
経営層だけで戦略を考え、それを末端の一般職へ向けてトップダウン的に落としていくだけの形態では、もはや時代の変化に対応できない
理想的には組織内の全員が「利益」を追求する思考、すなわち「コスト意識」を持って働くことを目指したい
「コスト意識」とは何か?
そもそも「コスト意識」とはどういうものでしょうか
- 仕事で求められる「コスト意識」とは、投資した時間や労力、報酬に見合う対価が得られているか意識していること
- 職場で起こっている日常的な事象に対して、どのようなコストが発生しているかを常に考えて意識すること
- 採算性を考慮すること
アルバイトは時給と仕事内容とのバランスが分かりやすい
しかし組織の中で仕事をしていると時給は認識しにくくなる
いかに質の高い仕事を短時間で行うことができるか自分自身のコストを意識して働くことが重要
組織に所属する社員であれば、
利益を上げるという目的のため以外に存在する社員などはいない
直接的に売上に貢献する部門
⇒ 営業職、生産職など
間接的に売上に貢献する部門
⇒ 総務部、経理部など
組織にとってはすべての社員が重要な存在であり、
すべての社員にコストを意識した質の高い仕事が求められる
周知させておきたい事だが、
1人の社員が稼ぐ必要のある1か月分の金額は給料のおよそ2倍
⇒ 利益はもちろんのこと、賃料、水道光熱費、旅費交通費や機械設備類の償却費、その他さまざまな経費がかかっている
あらゆる仕事を定量化してコストを算出するのは難しい
しかし、誰がどの仕事をするのが組織にとって効率的なのか、ということは常に考えておく必要がある
「コスト意識」を組織内に浸透させていくには?
コスト意識を高める5つの方法と、コスト意識を浸透させていかなければならない理由や背景が分かったところで、
では実際に取り組んでいきましょうとなるが、組織内に以下のような空気が漂っていませんか?
- どうせまた中途半端にやって自然消滅かな
- 成果が出ないならやる意味ないでしょ
- リーダーが一人でやる気になっているけど周りは冷めている
このような場合、そもそも今の「組織マネジメント形態」は大丈夫か考える必要がある
目標を掲げて実行していこうとする場合、組織の皆がしっかりついて来るだろうか?
組織マネジメント形態について過去の詳しい記事がありますのでご参照ください。
業種や職種などにより、理想とされるマネジメント形態は異なると思いますが、
およそ以下の3つに大別されます。
- ボスマネジメント
- ノーマネジメント
- リードマネジメント
ボスマネジメントやノーマネジメントのスタイルでは、時代の変化に対応できないばかりか、ライバルとの競争にも勝てない
組織マネジメント形態から見直さないと、コスト意識の浸透だけでなく何をやろうとしても満足のいく結果は得られない
ピーター・F・ドラッカーは言う
- 組織の重要な目的は、そこで働く人を、仕事を通して幸せにすること
- それは報酬などによるものではなく、仕事自体にやりがいを感じさせるような状態を作ること
それは「リードマネジメント」によって達成する
組織内の人々が主体的に動こうという風土を作りましょう
まとめ
時代は急速に変化している
組織全体が変化の流れに柔軟に対応していくのは非常に難しい
それはどの組織にとっても同じである
一人ひとりがコスト意識を高く持っていれば利益が出せる組織になる
このような組織風土を作るには、組織マネジメント形態が重要となる
ぜひリードマネジメントに転換し、社員が主体的に取り組める風土を築き、利益体質にしていきましょう
今回はこの辺りでご無礼させていただきます。
最後までお読みいただきありがとうございました。