「やる気」との上手な付き合い方

 

「やる気」とは、形がなく捉えどころがないもの

しかし子供から大人まで、スポーツの世界や企業で働く人達などあらゆる分野で、とても重要なものと見られている

私もかれこれ10年ほど管理職を経験していますが、この「やる気」というものをどのように捉え、どう付き合っていくのが正しいのか、答えが出せないでいました。

そうした中、田中ウルヴェ京(みやこ)先生のお話を聞き視界が開けました。

「やる気」というものを掘り下げて捉え方を理解することで、職場における人材育成に活かせるのではと考えたため、本記事にて紹介させていただきます。

テレビ寺子屋という番組で以前放送された田中先生の「やる気のカタチ」を引用させていただきます。

田中ウルヴェ京(みやこ) 1988年ソウルオリンピック シンクロデュエットで銅メダル獲得

選手を引退後、アメリカの大学院で心理学を学ぶ メンタルトレーニング上級指導士

バラエティー番組やドキュメンタリーは多種多様ですが、道徳を教えてくれる番組は「テレビ寺子屋」をおいて他にないと思います。

子育ては、部下を育てることや、誰もが働きやすい組織を作ることにも通じていると考えます。

 

もくじ

  1. 「やる気」を定義する
  2. 「やる気」の種類を知る
  3. 「やる気」の育て方
  4. まとめ

「やる気」を定義する

一般的に多くの人に捉えられている「やる気」とは?

⇒ やるぞ!という気合い、あるいは自然に沸き起こる気持ち

⇒ 心理学的には「動機付け」英語では「モチベーション」などと言われ、世界中で定義自体が数多く言われて

いる

 

その中でも今回は、「主体(その人本人)が目標に向かう力」を「やる気」と定義する

分かりやすく言うと、

⇒ 「その人に何らかの目標があり、そこに向かうためのエネルギーがあるか」

 

「やる気」の種類を知る

子育て中の母親やコーチや監督から、

うちの子は、うちの選手は、「やる気がないんです」と言われる

どういう状態なんですか?

  • 練習に来ないんです
  • 勉強をしないんです
  • 元気がないみたいなんです
  • 好きな事がないみたいなんです

こうした話は、視覚的に「元気がいい」状態を「やる気がある」と捉えているケース

⇒ やる気があるように見える

⇒ それが正しいかのように誰もが感じている

 

実は「やる気」には種類がある

その事を知るだけで私たちはやる気が出る

(例)ジョギング

 

縦軸・・・上は目的、下は手段

横軸・・・右は自分、左は他人

 

①走る事自体が好き(右上)

走る事自体が好き

自分で走りたいから走る

いわゆるやる気があるねと言われやすいところ

⇒ 走る事そのものが目的

能動的

 

②やせたいから走る(右下)

走る事自体が好きという訳ではない

走るという手段を使って痩せるという目標をかなえたい

⇒ 走る事は手段

能動的

 

③先生や仲間が好き(左上)

走る事自体が好きという訳ではない

先生やチームメイトが好きだから走る

⇒ 走る事が目的

受動的

 

④やれと言われたから(左下)

走る事自体が好きという訳ではない

やる気がないと言われやすいところ

⇒ 走る事は手段

受動的

 

一般的に「やる気」とは、①の区分のように走る事が好きで能動的にやっている状況を言われやすい

その逆で、④のように誰かにやれと命令されてしょうがなくやっている状況は「やる気がない」と言われやすい

 

そこで冒頭に定義した、

「主体(その人本人)が目標に向かう力」

「その人に何らかの目標があり、そこに向かうためのエネルギーがあるか」

から見ると、

④の区分でも他人からやれと言われてしかたなくやってはいるが、

「走っている」こと自体は事実であり行動は続けている

嫌なんですけど、しょうがないからと言いながらも、これも「やる気」の範囲となる

 

すなわち①から④まで、すべて「やる気」として捉えられる

この4つはどれも正しく、「やる気」に正しい・正しくない、はないのである

 

「やる気」には種類があり、どう持ち続けるかではなく、どう行動を続けるかが大事

 

やる気の育て方

「やる気」には種類があることを知ったところで、

ではそれをどう育てるか、を見ていきましょう

 

人のやる気は本人次第であり、他人がやる気を出してあげられるものではない

子供や部下が、「主体が目標に向かう力」を、感覚として身に付けていけるようにするために何ができるか?

  1. 失敗受容力を身に付けさせる
  2. フラットな目線で挑戦することを促す失敗受容力を身に付けさせる

 

1,失敗受容力を身に付けさせる

失敗受容力とは

何かに挑戦すると必ず失敗はある

失敗を恐れると挑戦できない

挑戦しなければ失敗はないが大きなチャンスを逃す場合がある

失敗したとしてもそこから得られるものはたくさんある

失敗しても許すことができれば抵抗なく挑戦できる

 

何かに挑戦すれば必ず成功か失敗がある

失敗した場合、自分も周りも「残念だったね」となるが、以下のように変える

⇒ 「残念な経験ができたよね」

「やったから失敗という経験ができたんだよね」

何に挑戦してもいいし、やり始めることが大事なのである

成功・失敗どちらからでも学べることはある

挑戦を続けていれば、失敗という経験も含めて蓄積できる

これは価値があることだ、行動を続けることは大事だと思えるようになる

 

2,挑戦することを促す

上司の立場で上から相手を見るのではなく、フラットな目線で接する

⇒ 「何にでも挑戦していいんだ」、という気持ちを育む

 

  • 失敗を恐れて何も挑戦しようとしない部下
  • 一生懸命挑戦しようとするが失敗を重ねる部下

上司の立場で部下を評価する際、どちらを評価しますか?

 

短期での評価は難しいですが、伸びしろや将来性を考慮すると後者のような人材を育みたいものです

そのためには、上から威圧するのではなく失敗してもフォローしてくれる安心感を与えることが大事

 

まとめ

「やる気」には種類があり、そのどれもが「やる気」の範囲

大事なのは、

  1. 挑戦すること
  2. 行動を継続すること

 

それを育むのは、

  1. 失敗受容力を身に付けさせる
  2. フラットな目線で挑戦することを促す

 

田中ウルヴェ京先生のお話から、「やる気」をというものを勉強し、組織の中の人材育成に活かすにはどうすればよいか、を書かせていただきました。

 

今回はこのあたりでご無礼させていただきます。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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