WTI先物価格とは何か?――ホルムズ海峡問題とともに報道される理由を初心者向けに解説

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WTI先物価格とは何か?――ホルムズ海峡問題とともに報道される理由を初心者向けに解説

 

最近、アメリカとイランの対立やホルムズ海峡を巡る緊張が報じられるたびに、「WTI先物価格が上昇した」「WTI先物価格が急落した」というニュースを目にする。

投資をしていない人にとっては、

「WTIとは何だろう?」

「なぜアメリカの原油価格が日本のニュースになるのだろう?」

と疑問に思うかもしれない。

 

実はWTI先物価格は、単なる原油の値段ではなく、世界経済の動きを映し出す重要な指標なのである。

 

本稿ではその仕組みをできるだけ分かりやすく解説したい。

 

WTIとは何か

 

WTIとは「West Texas Intermediate(ウェスト・テキサス・インターミディエート)」の略称である。

アメリカのテキサス州周辺で産出される高品質な原油を指している。

 

世界には何百種類もの原油が存在するが、その中でもWTIは世界の原油価格を判断する代表的な指標として使われている。

 

しかしここで疑問が湧く。

「なぜテキサスの原油が世界の基準になるのか?」

である。

 

お米で考えると分かりやすい

 

例えば日本のお米を考えてみよう。

市場には、

・新潟産コシヒカリ

・秋田こまち

・ゆめぴりか

・ひとめぼれ

など多くの銘柄がある。

 

もし全国の卸売業者やスーパーが、

「まず新潟産コシヒカリの価格を見て、それを基準に他のお米の価格を決めよう」

となったらどうなるだろうか。

新潟産コシヒカリは日本のお米市場の指標になる。

 

必ずしも全員がコシヒカリを買うわけではない。

しかし価格を見る際の基準になるのである。

 

WTIも同じである。

世界中の原油市場参加者が、

「まずWTI価格を見よう」

となった結果、世界の指標になったのである。

 

なぜWTIが指標になったのか

 

理由は歴史にある。

 

20世紀後半、アメリカは世界最大の経済大国であり、同時に巨大な石油市場でもあった。

さらにテキサス産原油は品質が安定していた。

そこで多くの企業や投資家がWTIを基準に取引するようになった。

やがて先物市場で膨大な取引が行われるようになり、

「世界で最も注目される原油価格」へと成長したのである。

現在ではWTIは原油市場の体温計のような存在になっている。

 

先物価格とは何か

 

次に「先物」である。

 

先物取引とは、

「将来のある日に、あらかじめ決めた価格で売買する契約」

である。

 

例えば、

「3か月後に原油を80ドルで買う」

という契約を今日結ぶ。

市場参加者は将来の需要や供給を予想しながら売買を行う。

その結果として形成される価格がWTI先物価格である。

 

つまりWTI先物価格とは、

「市場参加者が考える将来の原油価格」

なのである。

 

なぜホルムズ海峡が関係するのか

 

ここで最近のニュースと結び付く。

ホルムズ海峡は中東と世界を結ぶ重要な海上ルートである。

世界の原油輸送量の約2割がここを通過すると言われている。

 

もし戦争や軍事衝突によって海峡が封鎖されたらどうなるだろうか。

市場は、

「世界の原油供給量が減るかもしれない」

と考える。

すると原油価格は上昇する。

その結果としてWTI先物価格も上昇するのである。

 

マグロ市場で考えてみよう

 

さらに分かりやすくするために魚市場で例えてみる。

 

世界中でマグロが流通しているとする。

ある日、主要な漁場で大規模な不漁が発生した。

すると市場は、

「マグロが足りなくなる」

と考える。

 

その結果、

マグロ価格が上がる

カツオ価格が上がる

ブリ価格が上がる

という現象が起きる。

なぜなら魚全体が不足気味になるからである。

 

原油も同じである。

ホルムズ海峡は中東にある。

WTIはアメリカ産原油である。

一見すると関係なさそうに見える。

 

しかし市場が見ているのは、

「テキサスの原油」

ではなく、

「世界全体の原油供給量」

なのである。

 

中東原油が不足しそうになれば、アメリカ原油も値上がりする。

つまりWTI価格の上昇は、

「世界の原油不足への警戒感」

を示しているのである。

 

私たちの生活への影響

 

原油価格の上昇は私たちの生活にも直結する。

 

まずガソリン価格が上がる。

物流コストも増える。

すると食品や日用品の価格も上がりやすくなる。

さらに電気料金やガス料金にも影響する。

 

つまりWTI先物価格は、

未来の物価を予測する重要なヒントでもあるのである。

 

投資家がWTIを注目する理由

 

投資家は、

「テキサスで何が起きたか」

を知りたいわけではない。

知りたいのは、

世界景気はどうなるか

インフレは進むのか

株価はどうなるか

円安になるのか

である。

 

原油価格は経済全体に大きな影響を与える。

そのため投資家は毎日のようにWTI価格を確認しているのである。

 

まとめ

 

WTI先物価格とは、アメリカ・テキサス産原油の将来価格を示す世界的な指標である。

しかし市場参加者が見ているのはテキサスそのものではない。

世界全体の原油需給や経済の動向である。

 

ホルムズ海峡が緊迫すればWTIが上がる。

停戦や緊張緩和が期待されればWTIは下がる。

 

ニュースで「WTI先物価格上昇」と聞いたら、

「世界のエネルギー供給に不安が出ているのだな」

と考えるとよい。

 

WTIは単なる原油価格ではなく、世界経済の体温計なのである。

 

 

 

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