少子化の真実――なぜ豊かな国ほど子どもが減るのか

フリーマン柴賢二郎の流儀

~そよ風に吹かれて、ゆっくりと歩いていこう~

世の中に起きている不思議なことや、

ふと浮かんだ疑問などをゆる~く書き綴る。

何の専門家でもない私が経済的・時間的・人間関係の自由を得て、

人生のこと、世の中のこと、幸せについてなど、

一般庶民の目線で考える。

 

少子化の真実――なぜ豊かな国ほど子どもが減るのか

 

日本の出生数が昨年67万人となり、過去最低を更新した。

ニュースでは連日のように少子化が取り上げられ、その原因として「若者の給料が低い」「非正規雇用が増えた」「結婚したがらない若者が増えた」などが語られている。

確かにそれらも一因ではあるだろう。

しかし本当にそれだけなのだろうか。

街を見渡せば、多くの人がスマートフォンを持ち、車に乗り、休日には旅行や外食を楽しんでいる。

もちろん生活が苦しい人もいるが、日本全体が飢えに苦しむような状況ではない。

それにもかかわらず子どもは減り続けている。

私は少子化を考える上で、一冊の本に書かれていた内容が非常に興味深いと思った。

世界的ベストセラーである『ファクトフルネス』には、貧しい国と豊かな国の出生率の違いについて説明がある。

貧しい国では、一人の女性が6人から7人の子どもを産むことも珍しくない。

しかしそのうちの多くは栄養失調や感染症、医療不足、あるいは紛争などによって幼いうちに命を落としてしまう。

結果として大人になれる子どもの数は限られる。

さらに、親自身が高齢になったとき、生活を支えてくれる子どもが必要になる。

だからこそ、多くの子どもを産むという選択が合理的になるのである。

ところが国が発展し始めると状況は変わる。

食料は安定し、医療は発達し、子どもの死亡率は大きく下がる。

生まれた子どものほとんどが大人まで成長するようになる。

すると、以前のように「たくさん産んでおかなければならない」という必要性が薄れていく。

そしてさらに豊かで成熟した社会になると、今度は別の変化が起こる。

それは「個人の自由」である。

昔は結婚して子どもを持つことが当たり前だった。

親や親戚、地域社会からの圧力も強く、本人の意思よりも社会の常識が優先された。

しかし現代の日本では違う。

結婚するかしないかは自由である。

子どもを持つか持たないかも自由である。

どのような人生を選ぶかも自由である。

これは本来、とても素晴らしいことである。

しかし自由が広がるということは、必ずしも結婚や子育てを選ばなくてもよい社会になるということでもある。

一人で暮らしたい。

趣味を優先したい。

仕事に集中したい。

好きな場所で自由に生きたい。

こうした考え方は決して悪いものではない。

むしろ現代社会では自然な価値観である。

しかし社会全体で見れば、こうした人が増えるほど出生数は減少していく。

少子化対策というと、政府は補助金や給付金を増やそうとする。

もちろん経済的支援は重要である。

だが仮に所得が上がったとしても、それだけで出生数が劇的に増えるとは限らない。

なぜなら問題の本質は、お金だけではなく価値観の変化にもあるからだ。

実際、世界を見ても豊かな国ほど出生率が低い傾向がある。

これは日本だけの問題ではない。

むしろ経済成長と少子化は、ある意味では同時に進む現象なのである。

もちろん「だから少子化は仕方がない」と言いたいわけではない。

子育てしやすい社会づくりは必要であるし、子どもを望む人が安心して家庭を持てる環境整備も欠かせない。

しかし少子化を語るとき、私たちはつい経済的な問題だけに原因を求めてしまう。

本当はもっと深いところで、人々の生き方そのものが変わっているのではないだろうか。

かつては家族のために生きることが当然だった。

しかし今は、自分らしく生きることが尊重される時代である。

その結果として少子化が進んでいると考えるならば、これは単なる経済問題ではなく、豊かさが生み出した社会の変化そのものなのかもしれない。

少子化の真実とは、「子どもを産めない社会」だけではなく、「子どもを持たなくても生きられる社会」が実現したことでもあるのである。

その現実を冷静に見つめることが、これからの日本を考える第一歩なのではないだろうか。

 

 

 

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