人材育成の最適手段「権限委譲」の取り組み事例紹介

どんな組織でも人的資源を最大化して

強固な組織を作っていかなければなりません。

そのためには人材育成についてどのように取り組んでいくのかがカギとなります。

 

人材育成の最適手段は「権限委譲」です。

 

本記事では、私こと「悩める管理職」の組織において、

実際に「権限委譲」に取り組むにあたり、

成功・失敗、喜び・苦しみを交え、

どのような効果が得られたのかを紹介させていただきます。

 

ぜひ最後までお読みいただき、人材育成を踏まえた組織体制の整備を進めていくにあたり、

お役に立てれば幸いです。

もくじ

1,人材育成の最適手段は「権限委譲」である

2,実際の取り組み事例の紹介

3,「権限委譲」に取り組んで得られたこと

4,まとめ

1,人材育成の最適手段は「権限委譲」である

組織を維持・成長させていくにあたって、

管理職が常に考えておかなくてはいけない重要なテーマの1つに、

「人材育成」があります。

 

「人材育成」の最適手段は「権限委譲」であると言われています。

 

「権限委譲」の狙いは、上司の業務の一部を部下へ委譲することにより、

その部下自身が自分の役割・責任を自覚し、

主体的に行動するようになり、

結果として部下自身の成長が促進されることにあります。

 

また、「権限委譲」を推進していくことは、

単なる「人材育成」の一環としてのみならず、

組織マネジメントの根底的な要素と捉えられるのではないか、

と思えるほど組織の風土作りに影響を与えるものだと私は思いました。

 

それほどまでに人材育成の最適手段と言われる「権限委譲」ですが、

実際のところ、それほど簡単にできるもではありません。

 

まず、「権限委譲」を進めていくには、

非常に強い覚悟と忍耐力が必要となります。

やると決めたら徹底的にやり通さなくてはなりません。

少々大げさかもしれませんが、結果、得られるものは大変大きなものです。

 

2,実際の取り組み事例の紹介

今回の事例では、「権限委譲」に取り組むぞ、

というよりも管理職の人材不足や戦力ダウンが重なっていたため、

やらざるを得なかったという方が正しいかもしれません。

 

各階層の管理者たちそれぞれが、

もう1段か2段上に上がってもらわないと、

私自身が本来の業務を遂行することができない状況だったからです。

 

「権限委譲」を具体的に遂行していくにあたり、

私はまず中間管理者たちに向けてそのことを強く、

それでいて丁寧に伝えました。

 

しかしながら、皆がすぐに私が期待している行動に出てくれたわけではありません。

当然、私も中間管理者達も様子見から始まりました。

どこまでの権限を行使してよいか基準を教えてくれ、

という声もあがりました。

昔のブラック体制をいまだに引きずっている人は全て指示されて動いていたため、

自分の権限で判断するなど抵抗がある、という人もいました。

 

このような状況から、少しずつ変化が起き始めました。

 

事例①

私の出張中に、設備のトラブルが起きたと中間管理者から連絡が入りました。

 

それまでは私が業者との窓口になっていたのですが、

思い切って業者へ直接連絡を取り合って対応してほしいと頼みました。

 

数時間後、無事解決したとメールが入りました。

すかさず私も「助かりました。ありがとう。また同様の事例が起きたら解決まで任せます。」

と返信しました。

 

担当者は、自分に任せてくれて、自分の力で解決できた、

ということに喜びを覚えたようでした。

私自身も、業務の相当量が削減されました。

 

事例②

欠員のため作業者を補充しなければならない案件が発生した時も、

それまでは作業者の配置移動は管理職が決定していましたが、

これからは現場のリーダーである中間管理者達で話し合って決めてほしい、

ということにしました。

 

作業者個々の力量やキャラクターについては、

現場から遠ざかってしまっている私などよりも、

現場のリーダーに任せた方が適材適所を上手に達成してくれます。

 

この件でもまた、任された方は自分の意見を認めてくれたという

満足感があったようです。

 

事例③

細かい案件で中間管理者が私に決済を求めてきた時なども、

できるだけ「この判断は君に任せるよ」と伝えます。

これを繰り返していくと、多少困惑しながらも、

責任感が身についていったように感じました。

 

事例④

少し大きな案件は、中間管理者達に意見を出してもらい、

それらの意見を集約して皆で決定するようにしました。

 

そうすると、中間管理者同士で議論が始まります。

自分の意見が採用されるとなると、軽はずみな意見が言えなくなるため、

真剣に考えるようになります。

 

このようにして、少しずつですが中間管理者達一人ひとりのモチベーションや、

組織全体の風土が変わっていきました。

 

しかしながら「権限委譲」を推進していくにあたり、

全てがうまくいったわけではありません。

まさしく苦悩の連続の日々でした。

 

 

案件によっては任せて後悔したこともありましたし、

なかなか積極的に自分を出そうとしない人もいます。

一部の一般職からも混乱があったと聞きました。

社内の他部門とバランスが取れず、批判されたこともありました。

「権限委譲」の解釈を取り間違えて、権限のみを行使して暴走する人までいました。

私の力量不足を痛感したこともありました。

 

しかし最初に決めたように、やると決めたらとことんやりきる、

という姿勢でいかなくてはなりません。

 

ここがブレてしまうと絶対にうまくいきません。

 

任せると言ったのに、あとから細かく口を出す、というのが最悪です。

これをやられると一気にモチベーションが下がり、

全てが崩壊してしまいかねません。

ここが本当に大事な部分でした。

 

苦悩と忍耐の連続でしたが、

現状では総じて「成功」と言えるのではないかと思います。

 

3,「権限委譲」に取り組んで得られたこと

実際に「権限委譲」に取り組んで得られたことは、

・組織の雰囲気が明るく活気がでてきた

・中間管理者自身の責任感が高く備わってきた

・中間管理者達で自らミーティングを開き、問題の解決策を話し合うようになった

・中間管理者達の中で序列が明確になってきた

・個々に主体性が出てきて成長が加速され、

埋もれていたキャラクターが明確になってきた

などです。

 

他にもさまざまな事が良い方向へ向かっていますが、

これらが「皆で得たもの」ではないかと思います。

 

4,まとめ

組織改革に取り組む上で重要となる「人材育成」について、

中間管理者への「権限委譲」が最適手段と捉え、

実際に我が部門での取り組み事例を紹介させていただきました。

 

組織によって取り組み方や得られる効果はそれぞれだと思いますが、

正しく進めていった先には組織全体の成長が見えてくるはずです。

 

一朝一夕に結果が出るものではありませんが、

皆さんの悩みに本記事が少しでもお役に立てれば幸いです。

 

今回はこのあたりでご無礼させていただきます。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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