子供の教育を支える制度③――不登校、障害、経済的困難など、さまざまな教育支援

フリーマン柴賢二郎の流儀

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幸せについてなど、一般庶民の目線で考える。

 

子供の教育を支える制度③――不登校、障害、経済的困難など、さまざまな教育支援

 

子供の教育を支える制度というと、授業料の無償化や奨学金、就学援助など、教育にかかる費用を軽くする制度を思い浮かべる人が多いだろう。しかし、子供が教育を受けるうえで直面する困難は、経済的な問題だけではない。

 

障害がある、不登校になっている、家庭の経済状況が厳しい、ひとり親家庭である、日本語を十分に理解できないなど、子供によって抱えている事情はさまざまである。そのため、「すべての子供に同じ支援をする」だけでは、教育の機会を保障することはできない。

 

そこで用意されているのが、それぞれの事情に応じた教育支援である。

 

まず、障害のある子供に対しては、特別支援教育が行われている。特別支援学校だけではなく、通常の学校にある特別支援学級や、通常学級に在籍しながら必要な支援を受ける通級による指導などもある。

(通級:つうきゅう・・・通常の学級に在籍しながら、特定の時間だけ別の教室に通って、障害や学習上の困難に応じた特別な指導を受ける仕組み)

 

大切なのは、「障害があるから特別な学校に行く」という単純な仕組みではないということだ。子供の障害の種類や程度、学習上の困難などに応じて、できるだけ本人に合った教育環境を整えるという考え方である。

 

また、不登校の子供に対する支援も重要になっている。不登校は、単純に「学校へ行きたくない」という一言では説明できない。友人関係、学習上のつまずき、家庭環境、心身の状態など、さまざまな要因が重なっている場合がある。

 

そのため、学校に戻ることだけを唯一の目標にするのではなく、教育支援センターやフリースクールなど、学校以外の学びの場も含めて支援していく考え方が広がっている。ICTを活用した学習(パソコンやタブレット、インターネットなどを利用した学習)なども、その一つである。

 

次に、経済的に困難な家庭への学習支援がある。学校に通うことができても、家庭の経済状況によって塾や教材、進学のための学習機会に差が生じることがある。

 

こうした格差を小さくするため、自治体などによる学習支援事業が行われている。単に勉強を教えるだけではなく、進学相談や生活面の相談などを一体的に行う場合もある。教育格差の背景には、家庭の経済状況や生活環境が関係していることが多いためである。

 

ひとり親家庭についても、子供の学習を支える制度がある。ひとり親家庭では、保護者が仕事と子育てを一人で担うため、家庭で十分な学習を支えることが難しい場合がある。そのため、自治体などによる学習支援や進学支援などが行われている。

 

さらに、日本に暮らす外国につながる子供への支援も重要である。日本語を母語としない子供の場合、本人に学ぶ意欲があっても、日本語の理解が十分でないことによって授業についていくことが難しくなる場合がある。

 

このため、日本語指導や学習支援などを通じて、学校生活や学習への適応を支える取り組みが行われている。言葉の違いによって教育の機会が失われないようにすることは、多文化化が進む日本社会においてますます重要になるだろう。

 

そして、高校を中退した人などを対象とした学び直しの機会もある。一度学校を離れたからといって、それで学びが終わるわけではない。高等学校卒業程度認定試験などを利用して、その後の進学や就職につなげる道も用意されている。

 

ここまで見てくると、教育支援とは単に「学費を安くする制度」ではないことが分かる。

 

教育を受けるための条件は、子供によって違う。経済的な余裕がある子供もいれば、そうでない子供もいる。障害のある子供もいれば、不登校になっている子供もいる。日本語を母語としない子供もいれば、一度学校を離れて学び直そうとしている人もいる。

 

だからこそ、本当の意味で教育の機会を保障するためには、「みんなに同じものを与える」という発想だけでは足りないのである。

 

必要な支援を、必要な子供に届ける。

 

この視点が、教育政策において非常に重要になる。

 

教育は、子供が将来の人生を自分自身で選択していくための土台である。その土台が、家庭の経済状況や障害、不登校、言葉の違いなどによって大きく左右されてしまえば、本人の努力だけでは乗り越えにくい格差が生まれてしまう。

 

だから、教育支援制度を見るときには、「どれだけお金がもらえるのか」だけを見るのではなく、「どのような事情を抱えた子供を、どのような方法で支えているのか」という視点を持つことが大切である。

 

すべての子供が同じ条件で学校生活を送れるわけではない。だからこそ、それぞれの違いに応じた支援が必要なのである。

 

そして、その支援の目的は、子供を特別扱いすることではない。

 

生まれ育った環境や抱えている事情によって、将来の可能性まで決められてしまわないようにすることである。

 

それこそが、教育支援制度の大きな役割なのである。

 

 

 

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