日本のバブル崩壊を振り返る――あの熱狂はなぜ生まれ、なぜ消え去ったのか

フリーマン柴賢二郎の流儀

~そよ風に吹かれて、ゆっくりと歩いていこう~

世の中に起きている不思議なことや、独り言などをゆる~く書き綴る。

何の専門家でもない私が経済的自由を得て、人生のこと、世の中のこと、

幸せについてなど、一般庶民の目線で考える。

 

日本のバブル崩壊を振り返る――あの熱狂はなぜ生まれ、なぜ消え去ったのか

 

「バブル崩壊」という言葉は、日本人なら一度は耳にしたことがあるだろう。

しかし、実際に何が起こり、なぜ起きたのかを詳しく知っている人は意外に少ない。

 

1980年代後半、日本は世界中が驚くほどの好景気に沸いた。

そして、ほんの数年後には、その熱狂は一瞬にして消え去った。

 

あの出来事は、日本経済だけでなく、人々の価値観やその後の人生まで大きく変えた歴史的事件であった。

 

今回は、その流れを時系列で振り返ってみたい。

 

1985年 プラザ合意から始まる

 

物語の始まりは1985年の「プラザ合意」である。

 

当時、日本は輸出で大きな利益を上げていた。

一方、アメリカは貿易赤字に苦しみ、日本に対して円高へ誘導するよう求めた。

 

その結果、急激な円高が進み、日本企業は輸出競争力を失い始める。

 

景気悪化を恐れた日本銀行は、景気を支えるために大幅な金融緩和を実施した。

 

銀行からは低金利で簡単にお金が借りられる時代となった。

 

ここから、バブルへの道が始まる。

 

お金があふれ、土地と株が高騰する

 

借りやすくなったお金は、企業だけでなく個人にも流れ込んだ。

 

その資金は工場や設備投資だけではなく、土地や株式へ向かっていく。

 

「土地は絶対に値下がりしない。」

 

「株は買えば必ず儲かる。」

 

そんな空気が日本中を包み込んだ。

 

昨日より今日、今日より明日。

 

価格が上がり続けるため、多くの人がさらに借金をして投資を行った。

 

土地価格は異常なまでに高騰し、「東京23区の土地価格だけでアメリカ全土が買える」とまで言われたほどである。

 

もちろん、そんなことが現実に可能なわけではない。

 

しかし、そのくらい世の中が熱狂していたのである。

 

1989年 熱狂にブレーキがかかる

 

土地や株価があまりにも上昇し続けたため、日本銀行は危機感を抱く。

 

このままでは経済が過熱しすぎる。

 

そう判断した日本銀行は1989年から金利を引き上げ始めた。

 

すると状況は一変する。

 

借金の返済負担が増え、投資資金が減少した。

 

株を買う人が減り、土地を買う人も減っていった。

 

「まだ上がる」と信じていた市場に、不安が広がり始める。

 

1990年 株価が暴落する

 

1990年、日経平均株価は急落を始める。

 

1989年末には約3万9千円だった株価は、その後急激に下落した。

 

利益が出ていた人も慌てて売り始める。

 

売れば売るほど価格は下がる。

 

そしてさらに売る人が増える。

 

典型的なパニック売りである。

 

「必ず儲かる」という空気は、「今すぐ逃げろ」という空気へ一変した。

 

1991年以降 土地神話も崩壊する

 

株価だけでは終わらなかった。

 

今度は土地価格まで下落し始める。

 

それまで「土地は絶対に値下がりしない」と信じられていた。

 

しかし実際には、土地も普通の商品と同じで、買う人がいなければ価格は下がる。

 

多額の借金をして土地を購入した企業や個人は、資産価値が借金より小さくなる「債務超過」に陥る。

 

銀行も巨額の不良債権を抱えるようになってしまい、新たな融資ができなくなった。

 

企業は設備投資を止め、人員削減を始める。

 

こうして日本経済全体が急速に冷え込んでいった。

 

「失われた30年」の始まり

 

バブル崩壊後、日本は長い停滞期に入る。

 

企業は借金返済を優先し、投資を控える。

 

銀行も貸し渋りを始める。

 

人々は将来に不安を抱え、消費を減らす。

 

景気が悪いから給料は増えない。

 

給料が増えないから消費もしない。

 

その結果、さらに景気が悪くなる。

 

この悪循環が長く続き、「失われた10年」と呼ばれた時代は、やがて20年、30年へと延びていった。

 

現在の日本が抱える低成長やデフレ体質も、この時代の影響を色濃く受けている。

 

私たちは何を学ぶべきなのか

 

バブル崩壊は、単なる経済の失敗ではない。

 

人間の心理が作り出した巨大な現象でもあった。

 

「みんなが儲かっている。」

 

「自分だけ乗り遅れたくない。」

 

「今回は特別だ。」

 

そんな集団心理が冷静な判断を奪い、実体以上の価値を生み出してしまったのである。

 

しかし、経済の基本は今も昔も変わらない。

 

価値以上に価格が上がり続けるものは、いつか必ず適正な価格へ戻る。

 

歴史は何度もそれを証明してきた。

 

近年でも、ITバブル、リーマンショック前の住宅バブル、暗号資産や一部の投機ブームなど、人々の熱狂が価格を押し上げる現象は繰り返されている。

 

だからこそ、バブル崩壊が私たちに突きつけたものは、「人間は熱狂すると冷静さを失う」という普遍的な事実である。

 

投資でも人生でも、「皆がそうしているから」という理由だけで判断してはいけない。

 

歴史を学ぶ最大の価値は、過去を知ることではない。

 

同じ過ちを繰り返さないために、今を冷静に見つめる視点を養うことにある。

 

あのバブル崩壊は、日本経済の転換点であると同時に、私たち一人ひとりに「熱狂よりも本質を見よ」と静かに語りかけているようである。

 

 

 

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