プラザ合意とは何だったのか――日本のバブル崩壊はここから始まった

フリーマン柴賢二郎の流儀

~そよ風に吹かれて、ゆっくりと歩いていこう~

世の中に起きている不思議なことや、独り言などをゆる~く書き綴る。

何の専門家でもない私が経済的自由を得て、人生のこと、世の中のこと、

幸せについてなど、一般庶民の目線で考える。

 

プラザ合意とは何だったのか――日本のバブル崩壊はここから始まった

 

日本のバブル崩壊を語る上で、「プラザ合意」という言葉は避けて通れない存在である。

 

しかし、「名前は聞いたことがあるが、何が合意されたのかよく分からない」という人も多いのではないだろうか。

 

実は、この出来事は単なる国際会議ではない。

その後の日本経済を大きく変え、「失われた30年」とまで呼ばれる長期停滞の出発点になったとも言われている。

もちろん、バブル崩壊の原因はプラザ合意だけではなく、国内の金融政策や土地・株式への過剰投資など複数の要因が重なった結果である。

しかし、歴史の大きな転換点であったことは間違いない。

 

時は1985年。

当時のアメリカは深刻な貿易赤字に苦しんでいた。

 

その最大の相手国が日本である。

日本製の自動車や家電製品は世界中で飛ぶように売れ、日本は巨額の貿易黒字を積み上げていた。

一方、アメリカ国内では「日本ばかりが得をしている」という不満が高まっていた。

 

当時のアメリカでは「双子の赤字」と呼ばれる財政赤字と貿易赤字が問題となっており、その解決策の一つとして「ドル高を是正しよう」という考えが生まれた。

そこで1985年9月22日、アメリカ・ニューヨークのプラザホテルに、日本、アメリカ、イギリス、西ドイツ、フランスの5か国(G5)の財務当局者が集まり、ドル高を是正するため協調して為替市場に介入することに合意した。

これが「プラザ合意」である。

 

合意後、市場はすぐに反応した。

 

それまで1ドル約240円だった為替相場は急速に円高へ進み、わずか2年ほどで120円台まで上昇したのである。

日本企業にとって、これは大きな打撃だった。

 

海外へ輸出する製品は一気に値段が高くなり、自動車や電機メーカーなど輸出産業の利益は大きく圧迫された。

「円高不況」と呼ばれる景気後退への懸念が広がった。

 

そこで日本政府と日本銀行は景気を支えるため、大規模な金融緩和を行う。

 

金利を大幅に引き下げ、お金を借りやすくしたのである。

 

本来であれば企業の設備投資を後押しすることが狙いだった。

しかし現実には、余った資金は株式や土地へと流れ込んだ。

 

「土地は値下がりしない。」

 

「株価はまだまだ上がる。」

 

そんな空気が社会全体を包み込んでいく。

 

銀行も次々と融資を行い、不動産価格は天井知らずに上昇した。

株価も異常なスピードで値上がりし、日本中が資産価格の高騰に熱狂した。

 

こうしてバブル経済が形成されていくのである。

 

しかし、どんな泡も永遠には膨らまない。

 

1989年以降、日本銀行は過熱した景気を抑えるため金利を引き上げる。

 

すると、それまで借金によって支えられていた土地や株への投資が一気に縮小した。

 

株価は暴落し、不動産価格も下落を始める。

 

銀行は大量の不良債権を抱え、企業も個人も借金だけが残った。

 

こうして日本経済は長い低迷へと入っていく。

 

ここで考えたいことがある。

 

私たちは歴史を学ぶと、「プラザ合意が悪かった」「アメリカにやられた」という結論で終わらせがちである。

 

しかし、本当にそれだけなのだろうか。

 

確かに外部からの圧力は存在した。

 

しかし、その後の金融政策や過剰融資、土地神話を信じて熱狂したのは日本自身でもあった。

 

つまり、外から与えられたきっかけと、国内で膨らませてしまった要因の両方が重なって、あの巨大なバブルは生まれたのである。

 

この歴史は現代にも通じる。

 

株価が上がれば「まだ上がる」と言われ、不動産価格が上がれば「今買わなければ損だ」と言われる。

 

人は価格そのものではなく、周囲の熱気に流されやすい生き物なのである。

 

歴史はまったく同じ出来事を繰り返すわけではない。

しかし、人が熱狂し、欲を抱き、「今回は大丈夫」と思ってしまう心理は、いつの時代も驚くほど変わらない。

 

だからこそ、プラザ合意を学ぶ本当の意味は、「昔こんな出来事がありました」と知ることではない。

 

社会全体が一つの方向へ熱狂し始めたとき、自分だけは一歩立ち止まり、「本当にそれでよいのか」と考える習慣を持つことである。

 

バブルは、経済だけが作るものではない。

 

人間の欲望と楽観が積み重なったとき、静かに生まれるものなのかもしれない。

 

 

 

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