先日、私の部下Aがそのまた部下Bに対して
「怒鳴りつける」「喚き散らす」という場面に遭遇しました。
後になって話の内容が分かったのですが、原因は些細なことでした。
このような光景は、最近では珍しくなりましたが、
恥ずかしながら私も若いころはよく部下を「怒鳴りつける」「喚き散らす」
をやっていたものでした。
最近、久しぶりにこのような光景が私の身近で起きたので、
今回はこの件について少々私なりに思ったことを書かせていただきます。
よろしくお願いいたします。
もくじ
1、ことの顛末
2、ストレスは目に見えない
3、私なりの対処法
4、まとめ
1、ことの顛末
原因は本当に些細な事で、業務上のちょっとした行き違いでした。
部下Aは、突然怒涛の如く「怒鳴りつける」「喚き散らす」を始めました。
言われている部下Bは黙ってうつむいていました。
部下Aも、私のように昔は部下を「怒鳴りつける」「喚き散らす」
をしていたようですが、
最近は穏やかに仕事をしているように見えていました。
それが急に昔に戻って
「怒鳴りつける」「喚き散らす」を起こしてしまったのです。
原因は些細な事で、
部下Bも反省していましたし大きな問題ではなかったようです。
2、ストレスは目に見えない
私は部下Aについて、なぜ急に豹変したのかを考えました。
私が大量の仕事を任せてしまい、ストレスがピークに達していたのだろうか?
家庭内で何か問題が起きており、そのようなことが原因だろうか?
これまでの評価や処遇に不満があるのだろうか?
そもそも急に豹変するような性格なのだろうか?
いずれにしても、私が部下Aの心理状態を深く察した上で、
仕事を指示するということができていなかったのもあると思います。
私もそうですが、やはり上司にはなかなか深い本音を言えませんし、
仕事を任されたら「無理っす。」とも言えないものです。
接するたびに、苦虫をかみつぶしたような顔だってできないでしょうから、
愛想よくふるまうのにもストレスが溜まるでしょう。
このようなことも十分に考慮し、私も反省すべき点があったかもしれません。
しかしながら、部下に対して「怒鳴りつける」「喚き散らす」ことで
状況が改善されたり、問題が解決されたりするわけではないのも事実です。
むしろ状況は悪くなるという方が多いのではないでしょうか。
部下Bは、今後ずっと、部下Aに対して心のしこりが残り、
寄り添うことはないでしょう。
その周りにいた人も、「部下Aはこういう人だ」という印象が強く残り、
組織内の協調性や団結力という面ではマイナスとなるでしょう。
ところで部下Aは、そのあとどのような気持になったのでしょうか。
冷静に振り返って、部下Bや周りに対して反省の念があったのでしょうか。
私が、この部下Aがやったことに対して、
「怒鳴りつける」「喚き散らす」をしたらどうなるでしょうか。
私も今回の1件について多くを学びました。
本音を言うと、部下Bのミスを部下Aが、
「これも自分の責任なのだ」と捉えて指導していってほしかったのですが。
その部下Aが未熟なのも含めて、
すべて私の責任と捉えていくしかないのでしょうね。
3、私なりの対処法
ところで、私も若いころはよく「怒鳴りつける」「喚き散らす」
をさんざんやっており、思い起こすたびに後悔しきりです。
そこから1歩前進し、「自己感情の発散の無意味さ」に気づき、
「相手中心」「状況改善中心」に考えが向くようになりました。
怒りがピークに達した時に私が固く心に決めた事は、
その場で行動に移すのではなく「明日まで待つ」です。
「何じゃそりゃ?」となりますが、
この方法、全く難しくないわりには結構な効果がありますので、
ぜひ試してみることをお勧めします。
怒りがピーク付近にある時にこそ、
「明日まで待ってやる」「明日になったらとっちめてやる」
と心の中でつぶやき、その場では何もアクションを起こしません。
ところが時間が経つにつれて怒りが少しずつ冷めていき、
事が起こった背景や相手の事情を冷静に俯瞰して見ることができるのです。
そうすると、とがめる程の事でもないな、と思う事すらあるのです。
どうしても言っておく必要がある場合でも、
背景や相手の事情が分かっているため、
「怒鳴りつける」「喚き散らす」ではなく、
「相手中心」「状況改善中心」の観点に立ち、
落ち着いて論理・科学的に諭すことができるのです。
私はいまだにこの独自手法を継続しています。
4、まとめ
小規模企業の現場では、
日常的にさまざまな望ましくない出来事が起こります。
ハイレベルなチームで、
スキルでやり取りしてプロジェクトを成功させるような、
そんな次元ではないのです。
組織体制が整備されていない現場では、
往々にして根性論や精神論で進めていかなければならないのが現実です。
そのような不条理な事も、一人ひとりのストレスや不満になってしまうのです。
人は感情の生き物ですが、上手く感情をコントロールできるか否かで、
自分自身そして組織全体のパフォーマンスを左右します。
今回はこのあたりでご無礼させていただきます。
本記事が私と同じような「悩める管理職」の皆様の
お役に立てましたなら幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。