こんにちは。
本ブログ「管理職の悩み」の管理人の「悩める管理職」です。
「問題解決」の最重要項目は何か?
⇒ 「当事者意識」だと私は考えます。
解決にあたろうとする関係者全員が「当事者意識」を強く持っていれば、
あとはスキルやツールを駆使して解決まで突破できます。
では、最重要項目である「当事者意識」をどのようにして関係者へ持たせるのか?
そこが最大の難関と捉えます。
かれこれ10年ほど管理職を経験しており、日常的に「問題解決」の渦中にいる私が解説いたします。
もくじ
- 最大の難関は「当事者意識をどのようにして持たせるか」
- 最大の難関をクリアするには?
- 「問題解決」の流れを知り実行する ・第1段階:問題を問題として認識し、共有する ・第2段階:解決策(方法)を決める ・第3段階:解決方法に則り実行する
- まとめ
最大の難関は「当事者意識をどのようにして持たせるか」
問題解決の一連の流れの中における最大の難関は、
関係者全員に「起きている問題をどのように自分の事として認識させるか」である
すなわち「当事者意識」である
これは誰かが「問題」を「問題」として認識して浮上させた段階、
いわば最も初期の段階の話である
そしてこの難関さえ高いレベルでクリアできれば、その後は全てが上手くいきやすくなる
話を分かりやすくするために(例)で解説する
ある工場で同じような製品を作っているラインが5本あったとする
1本目のラインを製造1班とし、2ライン目は製造2班、以下同様にラインごとに班長が1人、
計5人の班長がいるとする
あるラインで浮上した小さな問題であればそこの班長がローカルルールを作って処理すればよい
しかし全ラインに及ぶような大きな問題であれば、解決にあたるスタッフの筆頭は5人の班長となる
ここからが最大の難関の始まりとなる
- 「5人の班長がその問題を問題として捉えているか」
- 「どこまで深刻に問題解決の必要性を感じているか」
この段階における問題の認識次第で、その後の進展方向が大きく変わる
レベル1・・・全員が問題を自分の事として深く受け止めている
レベル2・・・全員が問題として捉えてはいるが、うち大半はお付き合い程度
レベル3・・・問題として捉えているのは、問題が浮上したラインの班長のみ
大概にしてレベル1のケースは、まずない
レベル2および3のケースが、最大の難関となる
他の班長全員を自分と同じくらいの切迫感に感じさせるには、非常にエネルギーを要する地道な作業となる
そしてこれを言っては身も蓋もないが、ほぼ無理だと思った方がよい
とはいえ、
- 自分一人で突き進んで解決まで持っていくのはキツイ
- 解決できたと仮定しても同意を得られていなければ後々批判される
- しかし「問題解決」に向けて進めなければ組織は成長しない
このような状態を、どのように打破すればよいのか?
最大の難関をクリアするには?
最も良い打開策は、
「5人の班長を定期的にローテーションさせる」という事がシステム的にできればよいのである
この効果は、
- 必然的に自分の事として受け止めざるを得ない
- 各ラインの実情や背景を直接的に見ることができる
- 「本来のあるべき姿」のイメージを共有しやすくなる
- 班長全員が全体を網羅する視点を持つようになる
これによって「当事者意識」を持たざるを得なくなり、全員が同じ目線で話し合いができるようになる
「問題解決」の流れを知り実行する
最大の難関がクリアできれば、あとはスキルやツールを駆使して実行あるのみ
では、問題の発生から解決までの一連の工程を、捉えやすいものにするため3段階に分けて考えよう
- 第1段階:問題を問題として認識し、共有する
- 第2段階:解決策(方法)を決める
- 第3段階:解決方法に則り実行する
最終的に問題を解決することで目的を果たしたとなるのだが、上記第1から第3の各段階によってそれぞれ目的が微妙に異なることを認識してみよう
そうすることで
- 取り組み方が明確になる
- 必要になるスキルが明確になる
- 解決までの流れを見える化でき共有できる
- 早い段階で「作業」のレベルまで落とし込むことができる
というメリットがある
各段階を詳しく解説する
第1段階:問題を問題として認識し、共有する
目的:
- 問題を発見する
- 問題を土俵に上げる
ここでまず必要となるのは、常に組織内を注意深く見渡す広い視野と高く張ったアンテナである
目の前の物事が当たり前だとしか見ることができない人は、様々な問題を「問題」として捉えることができない
そこには常に高みを目指そうという意思が必要となる
そしてもう1つ
自分が捉えた「問題」を話の土俵に上げるために、周りに働きかけて全員を巻き込む動きを取る必要がある
第1段階で必要となるスキル
- 高い問題意識
- 起きている問題の背景や理由などを含めた全体像をとらえる能力
- 問題を問題だと認識させるため関係者全員をうまく巻き込む能力
第2段階:解決策(方法)を決める
目的:
- 本来のあるべき姿を設定する
- それに向けて進めていく方法を設定する
本来のあるべき姿を設定する場合、社内規定があればそれに則ればよいし、トップの一存に委ねるべき問題であればそれに従えばよい
上記にあてはまらないケースとなった場合は、困難な仕事が1つ増える
大半の人が納得し、かつ日常的・永続的に設定し得る「本来のあるべき姿」とは、
相当な協議が必要となる場合や、データ収集を伴う場合もある。
さらに、向かう先である「本来のあるべき姿」は極力、具体的なものでなくてはならない
この段階で具体的にしておかないと、以降の工程に大きく影響する
すなわち、以降の工程をより「作業のレベル」にまで落とし込みたいという事と、
問題解決の達成度合いを明確にしたいからである
次の「それに向けて進めていく方法を設定する」の工程からは、第3段階も含めて、
いわゆるQC的手法などを用いて進めていけばよい
「本来のあるべき姿」が明確になっていれば、一連の流れをタスクに分解し、役割分担やスケジュール調整を行い、ガントチャートなどに落とし込むことができる
第2段階で必要となるスキル
- 「本来のあるべき姿」を設定するための調整能力
- 工程を作る能力
第3段階:解決方法に則り実行する
目的:
- 各タスクの遂行
各タスクの責任者は、スケジュールに則り進捗度合いを見ながら仕事を進め、ズレが想定される場合は関係者と調整を図る
この段階では既に「作業レベル」にまで落とし込まれているため、実行あるのみと言える
第3段階で必要となるスキル
- 引き受けたタスクを確実に遂行する能力
まとめ
「問題解決」に関しては、さまざまなスキルが求められる
今やセミナーやQC検定試験など、スキル向上のための材料は豊富にある
しかしそれだけでは足りない
「当事者意識」が根底にないと仕事が「処理」になってしまう
そこに必要なのは、組織を「本来のあるべき姿」に近づけていこうという高い志と、
自分が先頭に立ってでも進めていこうという強い覚悟である
今回はこのあたりでご無礼させていただきます。
最後までお読みいただきありがとうございました。