フリーマン柴賢二郎の流儀
~そよ風に吹かれて、ゆっくりと歩いていこう~
世の中に起きている不思議なことや、独り言などをゆる~く書き綴る。
何の専門家でもない私が経済的自由を得て、人生のこと、世の中のこと、
幸せについてなど、一般庶民の目線で考える。
管理職必見!組織を飛躍させるリーダーシップの育て方と権限委譲の鉄則
はじめに
複数の人間が集まって形成される組織において、その成否や成長の限界を決定づける要因とは何だろうか。さまざまな要素が挙げられるが、最も根幹にあるのは「リーダーシップを発揮できる人財がどれだけ揃っているか」という点に行き着く。
では、組織の中にリーダーシップを発揮する人財を増やしていくには、一体どのようなアプローチが必要なのだろうか。
長年にわたり管理職として組織の現場に立ち、悩み、試行錯誤を続けてきた筆者の知見をもとに、組織を持続的に向上させるためのリーダーシップの本質とその育成手法について解説する。
- 成長する組織の本質は「リーダーシップの総量」にある
組織にとって最大の財産とは何か。それは設備でも資金でもなく、自ら戦略を企図し、実行に移して結果を出し、課題から学びながら組織を前進させようとする強い意志を持った「人財」である。
そして、そうした人財の行動を裏支えする心の持ち方こそが「リーダーシップ」にほかならない。当然ながら、リーダーシップを備えた人財が豊富に存在する組織ほどパフォーマンスは高まり、持続的な成長を実現できる。
実務における成長戦略は、机上の空論通りに進むことなど滅多にない。予期せぬトラブルや失敗の連続に対し、いかに向き合い、いかにメンバーを導いて突破していくかが問われる。この困難を乗り越える力は、一部のトップや上司だけに求められるものではない。現場で動く部下たち一人ひとりがリーダーシップを持って判断し、動く必要があるのだ。
組織全体が「リーダーシップの集合体」となったとき、どんなに困難な戦略であっても達成確率は格段に跳ね上がる。
全員がリーダーシップを持つと組織は混乱するのか?
ここで一つ、よくある疑問が浮かぶかもしれない。
「全員がリーダーシップを持ったら、誰もが主導権を主張し始め、かえって船頭多くして船山に上る状態になるのではないか」という懸念だ。
結論から言えば、その心配は無用である。本物のリーダーシップを持つ人間が集まった組織では、各自が自らの果たすべき役割を完璧に理解した上で遂行する。その上で、全体最適の視点から組織をより良くするための提案や行動を自主的に繰り出すようになるのだ。目指すべきは、まさにこのような自律的な組織の姿である。
- リーダーシップの正体と身につくプロセス
そもそも「リーダーシップ」とは何だろうか。簡潔に定義するならば、「主体性を持って組織やメンバーを導く力」と言える。
人はリーダーシップを発揮する経験(リーダーシップ体験)を積み重ねることで、初めて「高い成果を生み出せる組織人財」へと進化していく。
身近な例で考えてみよう。例えば、プライベートや仕事で「飲み会の幹事」を務めた経験はないだろうか。幹事を経験すると、往々にして次のような苦い事態に直面する。
・参加の締め切り期日を守らない人がいる
・事前連絡もなく平然と遅刻してくる
・「お酒を飲まないから安くしてほしい」と個人の都合を主張される
・苦労して選定・予約したお店に対して不満を言われる
こうした「場を仕切る側の苦労」を一度でも実体験すると、視点が変わる。自分がいち参加者の立場に戻ったとき、自然と以下のような思考や行動が身につくようになるのだ。
・「期日を守り、円滑な進行に協力しなければならない」
・「無断遅刻や自分勝手な要望は、全体に迷惑をかけるから控えよう」
・「こういうフォローをしてあげれば、幹事も周りも助かるはずだ」
・「大変そうだから自分にできる手伝いをしよう」
このように、全体を導く立場を経験することで、自分の役割や振る舞いを客観的に捉え直せるようになる。これこそがリーダーシップ体験の真価であり、組織人を成長させる糧となる。
- リーダーシップの土台となる「主体性」の伸ばし方
では、組織においてリーダーシップを備えた「自立人財」を育てるには、具体的にどこから着手すべきなのだろうか。
最初に取り組むべきは、個々の「主体性」を伸ばすことである。
主体性とは、「自ら問題や課題を発見し、その原因を深く究明し、具体的な解決策を考えて実行に移し、組織に対して良い影響を与える性質」を指す。
この主体性こそが、リーダーシップを発揮するための基礎・基盤(ベース)となる。主体性が高まるにつれて、自ずと周囲や組織を正しく導く行為、すなわちリーダーシップが芽生えてくるのだ。そしてこの主体性は、環境と関わり方次第で後天的に伸ばしていくことができる。
- 主体性を引き出す鍵は「任せる(権限委譲)」こと
部下の主体性を育てる上で、最も効果的なアプローチは「仕事を任せること」、つまり「権限委譲」を行うことだ。
決裁権や一定の裁量権を与えられた人間は、強い当事者意識と責任感を持つようになる。自分に任された領域において、自ら課題を見つけ出し、達成に向けて能動的に行動し始めるのだ。
ただし、ここで管理職側の姿勢が厳しく問われることになる。
権限委譲は非常に強力な育成手法である一方、やり方を誤れば組織の崩壊を招く諸刃の剣でもある。単なる「放任」や「投げ出し」になってしまえば、業務の滞りや現場の混乱を引き起こすだけだ。
管理職に必要なのは、任せた以上は結果に対して自らが責任を負うという「覚悟」と、部下の試行錯誤を過度に関与せず見守る「忍耐」である。
自信を深め、主体性を加速させる5つのタイミング
任せると同時に、部下が達成感を得て自信を深めていける環境を整えることも重要だ。人が自信を積み重ね、より高い主体性を発揮するようになるのは、主に次の5つのタイミングである。
1.高い目標を自らの力で達成したとき
2.上司や周囲から認めてもらい、褒められたとき
3.自分の行動が確かに人の役に立ったと実感が得られたとき
4.自ら立てた目標や約束(自分との約束)を完遂したとき
5.周囲から信頼され、支持されていると確信できたとき
管理職は仕事を与えるだけでなく、これらの機会を意図的に創出し、部下が成長を実感できるようフィードバックを行っていく必要がある。
まとめ
組織を維持・向上させていく「人材育成」には、業務上の「スキルを習得させるアプローチ」と、働く上での「心の持ち方を育むアプローチ」の2軸が存在する。
今回解説したリーダーシップは、まさに「心の持ち方」の核となる要素だ。
・組織の持続的向上には、全員が当事者意識を持つリーダーシップが必要である
・リーダーシップの根底には「主体性」があり、これは育成によって伸ばせる
・主体性を伸ばす最強の手段は、覚悟を持った「権限委譲(任せること)」である
・適切な承認と達成体験を通じ、自信を深める環境をつくることが大切である
部下に適切に権限を委譲し、自立して走れる人財が増えていけば、組織のパフォーマンスは劇的に向上する。また、それは単に成果が出るだけでなく、従業員一人ひとりにとっても「働きやすく、働きがいのある職場」の実現へとつながっていくはずだ。
一人でも多くの管理職が「任せる覚悟」を持ち、強い組織づくりへと踏み出すきっかけとなれば幸いである。

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