【実録】太陽光発電所のケーブル盗難対策と、想定外の「新たな被害」から得た教訓

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【実録】太陽光発電所のケーブル盗難対策と、想定外の「新たな被害」から得た教訓

 

2026年3月9日に発生した、私が所有する6号基および7号基における銅線ケーブル盗難事件。投資家としての「防犯の盲点」を痛感したあの事件については、3月20日の記事で伝えた通りだ。

 

過去記事はこちら

太陽光発電所で銅線ケーブル盗難発生──投資家として痛感した「防犯の盲点」

 

本稿では、あの痛ましい事件を受けて、①私が急ピッチで行った「DIY防犯対策」と、その矢先の5月末頃に発生してしまった②1号基での「新たな盗難事件」の全貌を伝えたい。

 

「自分の発電所だけは大丈夫」と思っている投資家にこそ、ぜひ我が身のこととしてご一読いただきたい内容である。

 

➀ 費用対効果を最大化する――私が設置した「切らせない」ケーブル盗難対策

3月9日の被害を受け、遅ればせながら私は所有する全8基の発電所への防犯対策に乗り出した。

 

現在、太陽光発電所の銅線ケーブル盗難対策として、世の中には以下のような様々な防犯グッズや手法が存在する。

 

センサーライト / 防犯ブザー

監視カメラ / 警告看板

強固なフェンス / ケーブルへの保護カバー

ケーブル自体を「銅」から「アルミ」に変更する

 

しかし、これらをすべて8基分用意するとなると、莫大なコストがかかる。

投資家としては、防犯の有効性を担保しつつも、出費は最低限に抑えたいのが本音であった。

 

そこで私が導き出した防犯方針は、以下のようなものである。

 

「最優先すべきは、犯人を捕まえることではない。切られる前に『面倒くさい』と諦めさせること。」

 

太陽光ケーブルは、切られた時点で(たとえ盗まれなくても)高額な損害金が発生する。つまり、ケーブルに触らせないことが絶対条件となる。

 

そこで、近づいたら光る「センサーライト」と、警戒心を抱かせる「警告看板」を必須とした上で、メインケーブルに触れられないようホームセンターの資材を使った頑丈な囲い(フェンス)を自作した。

 

【DIY】総額1万円以下、「スクリューメッシュ」による鉄壁ガード

具体的な対策として、ホームセンターなどで安価に手に入る「スクリューメッシュ」(1m×2m、約550円/枚)を活用した。

構造:4枚のメッシュで四方を囲み、針金で結束し、さらにその上方に4枚を50cmほどずらして重ねて結束する(1箇所あたり計8枚を使用)。

 

最大のポイント:メッシュ同士を結束する針金の数を「異常なほど多く」すること。

 

固定:地面に打ち込んだ杭とも針金でガチガチに結束する。

 

犯人の心理になってみれば一目瞭然だ。

敷地内に忍び込み、いざケーブルを切ろうとした瞬間、目の前に無数の針金でガチガチに固められた鉄網が立ちはだかる。

これをペンチでいちいち切る時間を考えたら、「もはやこの発電所はリスクが高すぎる、諦めよう」と思わざるを得ないはずである。

 

この対策を、全発電所に急ピッチで自力で設置した。

センサーライトや看板を含めても、材料代だけで1基あたり10,000円もかかっていない。

費用を抑えつつ、犯人の戦意を喪失させる。

我ながら完璧な対策だと思っていた。──しかし新たな盗難被害が発生した。

 

② 5月末、1号基を襲った「盲点」のケーブル盗難事件

防犯対策を終え、一安心していた矢先の5月末頃。

今度は「1号基」がターゲットになってしまった。

この事件には、少し苦い前置きがある。

 

この1号基は、下部農地でサカキを育成し、その上部で発電を行う「営農型太陽光発電所(ソーラーシェアリング)」である。

農地である以上、地元の農業委員会からの制約を受ける。

 

詳しく暴露することはできかねるが、私の認識の甘さから農業委員会よりペナルティを受けてしまい、5月11日にパネルをすべて撤去し、再び許可が下りるまで発電を中止する命令を受けてしまったのだ。

そして、ようやく6月16日に再許可が下り、急いでパネルの再設置作業に取り掛かった業者様からの電話に私は耳を疑った。

──ケーブルが、無残に切り取られていると言う。

 

まさに「パネルが撤去され、電気が通っていない期間」をピンポイントで狙われた犯行であった。

遠隔監視装置もブレーカーごとオフ(通信遮断)にしていたため、正確な犯行日時すら特定できなかった。

 

今回盗まれたのは、パワーコンディショナーとパネルを結ぶ、比較的細いケーブルである。

 

業者様の見立てから分かった、犯人の「狡猾な心理」

お世話になっている業者様に現地を見ていただいたところ、犯人の心理について非常にリアルな見立てをいただいた。

 

稼働停止を見抜かれていた:パネルが撤去されていたため、犯人は「現在は稼働していない(=電気を止めている)」と確信した。

 

感電リスクの回避:稼働していない発電所なら、ケーブルを切っても感電するリスクがゼロである。

 

自作フェンスの効果:本当は太いメインケーブルを盗みたかったはずだが、私が施したスクリューメッシュのフェンスが邪魔だったため、断念して盗みやすい細いケーブルを切り取った。

 

隣の発電所との比較:南側には、防犯対策を一切していない別のオーナーの太陽光発電所が隣接していた。にもかかわらず、そちらは「絶賛稼働中(夜間でも感電リスクあり)」であったため、犯人はリスクのない私の発電所(稼働停止中)を敢えて選んだ。

 

この事件から見えた「唯一の救い」と「新たな現実」

今回の被害を逆にポジティブに捉えるなら、「メインケーブルを高いフェンスで囲った対策は、間違いなく効果があった」ということだ。

 

メインケーブル以外の細いケーブルまで全てを網羅して守ることは物理的に困難である。しかし、通常稼働してさえいれば、犯人もわざわざ感電リスクを冒してまで、実入りの少ない細いケーブルに手を出そうとはしないはずだ。

今回の事件は、「未稼働」という最大の隙を突かれた結果であった。

 

最後に:太陽光投資に潜むリスクと、これからの現実

現在、現場ではパネルの復旧作業が急ピッチで進められている。

盗まれたケーブルは発注済みで、業者様が保険会社と保険金の交渉を行ってくれている最中だが、満額下りることはないだろう。

何より、発電が再開されるまでの間、売電収入は「ゼロ」であることが痛い。

 

銅の価格が高騰し続けている昨今、今後どのような対策を施したとしても、業界全体で盗難事件が劇的に減ることは考えにくいのが現状だ。

 

さらに深刻なのが、「保険の盗難補償問題」である。

今回被害に遭った1号基、6号基、7号基にはまだ盗難補償が付帯していたが、私が所有する別の2基では、すでに更新時に補償内容から「盗難」が除外されてしまっている。

今後、保険会社の締め付けはさらに厳しくなるだろう。

 

太陽光発電は「国が利回りを保証してくれる安定した投資」と言われがちだが、「どんな投資にも、時代に応じた固有のリスクがある」という現実を、私は身を以て痛感している。

 

この記事を読んでくださった太陽光オーナーの皆様。

どうか「自分の発電所も、今この瞬間狙われているかもしれない」という強い危機感を持っていただきたい。

そして、手遅れになる前に万全の対策を講じ、私のような悔しい被害に遭われないことを心より祈る次第である。

 

 

 

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