フリーマン柴賢二郎の流儀
~そよ風に吹かれて、ゆっくりと歩いていこう~
世の中に起きている不思議なことや、
ふと浮かんだ疑問などをゆる~く書き綴る
何の専門家でもない私が経済的・時間的・人間関係の自由を得て、
人生のこと、世の中のこと、幸せについてなど、
一般庶民の目線で考える
「はっけよい」とは何か――相撲に込められた日本人の精神文化を探る
大相撲を観戦していると、力士同士が激しく組み合う中で行司が「はっけよい、のこった!」と声を張り上げる場面を耳にする。
日本人であれば一度は聞いたことがある言葉だろう。
しかし、「はっけよい」とは具体的にどのような意味なのかと問われると、意外に説明できる人は少ない。
実は、この言葉には明確な定説がなく、複数の説が存在している。
そしてその背景には、日本人が古くから大切にしてきた勝負観や精神文化が垣間見えるのである。
「はっけよい」は行司の掛け声
まず、「はっけよい」とは相撲の取組中に行司が発する掛け声である。
力士が立ち合った後、互いに押し合い、組み合いながら勝負を続ける際に発せられる。
特に取組が膠着したり、力士の動きが止まりそうになったりした時に、行司が「はっけよい!」と声を掛けて勝負を促すのである。
そして土俵際の攻防になると、「のこった、のこった!」という掛け声に変わる。
つまり「はっけよい」は、「もっと前へ出ろ」「勝負を続けよ」という意味合いを持つ応援や激励の言葉として使われているのである。
語源には諸説ある
興味深いのは、「はっけよい」の語源がはっきりしていないことである。
最も有力とされる説の一つが、「発気揚々(はっきようよう)」説である。
これは「気力を発揮して勢いよく戦え」という意味を持つ言葉であり、長い年月の中で発音が変化し、「はっけよい」になったという考え方である。
また、「八卦良い(はっけよい)」という説も存在する。
八卦とは古代中国の易に由来する概念であり、縁起や運勢を占う際に用いられる。
勝負において運気が良い状態を意味する言葉が変化したという解釈である。
さらに、「早く来い」が変化したという説や、「発揮せよ」が訛ったものだという説まであり、研究者の間でも意見が分かれている。
ただし共通しているのは、どの説も「力を出せ」「前へ出ろ」「積極的に戦え」という意味につながっている点である。
相撲は単なるスポーツではない
「はっけよい」の意味を理解するためには、相撲そのものの成り立ちを知る必要がある。
相撲は単なる格闘技ではなく、神事として発展してきた歴史を持つ。
古代日本では、豊作祈願や収穫感謝の祭礼の中で力比べが行われた。
力士たちは神前で競い合い、その結果によって豊作を占う意味もあったという。
現在でも土俵は神聖な場所とされ、土俵祭が執り行われる。
塩をまく行為も清めの儀式である。
そのため、相撲における勝負は単なる勝敗だけでなく、「全力を尽くすこと」そのものに価値が置かれている。
行司の「はっけよい」は、その精神を象徴する言葉とも言えるのである。
日本人が大切にしてきた「前へ出る姿勢」
相撲では後ろに下がることは不利である。
相手を押し出すためには、自ら前へ出なければならない。
だからこそ行司は「はっけよい」と声を掛ける。
これは人生にも通じる考え方ではないだろうか。
仕事で失敗することもある。
投資で損失を出すこともある。
人間関係で悩むこともある。
しかし立ち止まってしまえば勝負は動かない。
相撲の世界では、たとえ押されていても最後まで前へ出ようとする力士が観客の心を打つ。
勝敗だけではなく、その姿勢に人は感動するのである。
「はっけよい」という言葉には、「結果を恐れず、自分の力を出し切れ」という日本人らしい価値観が込められているように思える。
現代社会にこそ必要な言葉
現代は失敗を恐れる社会とも言われる。
SNSでは成功者ばかりが目立ち、人と比較して自信を失う人も少なくない。
挑戦する前から諦めてしまう場面も増えている。
しかし相撲の土俵では、結果がどうであれ全力でぶつかることが求められる。
行司の「はっけよい」は、まるで「自分の持てる力を出してみろ」と背中を押しているようにも聞こえる。
だからこそ、この古い掛け声は現代人にも響くのである。
人生においても、絶対に勝てる保証など存在しない。
それでも一歩前へ出ることが未来を切り開くきっかけになる。
まとめ
「はっけよい」は相撲の取組中に行司が発する伝統的な掛け声であり、その語源には諸説あるものの、「力を出せ」「前へ進め」という意味合いが共通している。
また、この言葉は単なる競技上の指示ではなく、相撲が持つ神事としての歴史や、日本人が大切にしてきた挑戦の精神を象徴している。
勝負の世界だけでなく、仕事や人生においても迷いや不安はつきものである。
しかしそんな時こそ、「はっけよい」という言葉を思い出したい。
結果を恐れず、自ら前へ出る。
数百年にわたり土俵に響き続けてきたこの掛け声は、現代を生きる私たちへの応援歌でもあるのかもしれない。
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