フリーマン柴賢二郎の流儀
~そよ風に吹かれて、ゆっくりと歩いていこう~
世の中に起きている不思議なことや、独り言などをゆる~く書き綴る。
何の専門家でもない私が経済的自由を得て、人生のこと、世の中のこと、
幸せについてなど、一般庶民の目線で考える。
自動車はなぜこんなに高くなったのか――価格推移から見える現代の家計圧迫
「昔は車がもっと安かった。」
40代以上であれば、多くの人がそう感じるのではないだろうか。
約30年前の1995年頃、軽自動車は100万円前後で購入できる車種が数多くあった。
上位グレードでも120万円程度が中心で、「軽自動車は100万円で買える」というイメージを持つ人も少なくなかった。
一方、高級車として華々しく登場したトヨタ・セルシオは約500万円。
当時としては「一般家庭ではなかなか手が届かない超高級車」という存在であった。
ところが現在では様子が一変している。
軽自動車でも、安全装備やハイブリッド機能を備えた人気モデルでは180万~220万円程度になることが珍しくない。
普通車では300万~400万円が主流となり、500万円を超える車も決して特別ではない。
つまり、30年前なら憧れの高級車だった価格帯が、現在では一般的な乗用車にも見られるようになったのである。
もちろん、自動車そのものは大きく進化している。
衝突被害軽減ブレーキ、誤発進抑制装置、多数のエアバッグ、燃費性能の向上、排ガス規制への対応、電子制御システムなど、30年前とは比較にならないほど安全で快適になった。
価格上昇には十分な理由がある。
しかし、家計から見れば理由よりも「支払う金額」が重要である。
仮に100万円だった軽自動車が200万円になれば、購入資金もローンの返済額も大きく増える。
実際に、軽自動車の価格帯は30年前と比べると、おおむね1.5~2倍程度まで上昇した車種も少なくない。
一方で、日本人の賃金はどうだったのだろうか。
厚生労働省の統計を見ると、日本の名目賃金は1990年代後半以降、長い間ほぼ横ばいで推移した。
近年は賃上げが進み始めているものの、物価上昇を考慮した「実質賃金」は伸び悩み、年によってはマイナスが続く時期もあった。
つまり、車は大きく値上がりした一方で、「自由に使えるお金」はそれほど増えてこなかったのである。
しかも、家計を圧迫しているのは自動車だけではない。
ガソリン代、自動車保険、車検、タイヤなど維持費も上昇している。
さらに30年前には存在しなかった大きな固定費もある。
それがスマートフォンである。
今では一人一台が当たり前となり、通信料、インターネット回線、動画配信サービス、クラウドストレージなど、毎月の支出として家計に定着した。
30年前には必要なかった費用が、現代では生活インフラとなっているのである。
便利になったことは間違いない。
スマートフォン一台で銀行手続きも買い物も地図も情報収集もできる。
車も安全性は飛躍的に向上した。
しかし、その便利さを維持するためのコストは確実に増えている。
だからこそ、多くの人が「昔より生活が苦しい」と感じるのである。
これから家計を守るためには、「昔より高くなった」と嘆くだけではなく、本当に必要な支出を見極めることが重要だ。
車は新車にこだわるのか、認定中古車を選ぶのか。
スマートフォンは本当に今の料金プランが最適なのか。
保険やサブスクリプションは見直せないか。
こうした小さな積み重ねが、将来の家計に大きな差を生む。
自動車価格の推移は、単に「車が高くなった」という話ではない。
それは、日本の賃金、物価、そして生活そのものの変化を映し出す鏡なのである。
便利さは確かに増えた。
しかし、その便利さを維持するための負担もまた、私たちの家計に静かにのしかかっているのである。
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