フリーマン柴賢二郎の流儀
~そよ風に吹かれて、ゆっくりと歩いていこう~
世の中に起きている不思議なことや、独り言などをゆる~く書き綴る。
何の専門家でもない私が経済的自由を得て、人生のこと、世の中のこと、
幸せについてなど、一般庶民の目線で考える。
超高額な給料を出せる企業の収益構造――なぜ年収1500万円を払えるのか。
毎年、ニュースになるものの一つに「平均年収ランキング」がある。
ランキング上位を見ると、平均年収が1500万円どころか、2000万円を超える企業まで登場する。
「なぜ、この会社は社員にこれほど高い給料を払えるのだろうか。」
単純に考えれば、答えは一つである。
会社が、それだけ大きな利益を生み出しているからだ。
では、その利益はどこから生まれているのだろうか。
2026年に公表された最新のランキングを見ると、非常に興味深い顔ぶれになっている。
東洋経済の2026年8月公表のランキングでは、1位がヒューリックで平均年収2295万円、2位がM&Aキャピタルパートナーズで2265万円、3位がキーエンスで2178万円となっている。
面白いのは、この3社がまったく違う商売をしていることである。
ヒューリックは不動産、M&AキャピタルパートナーズはM&A(Mergers and Acquisitions:企業の合併・買収)の仲介、キーエンスは工場の自動化などに使われるセンサーや測定機器である。
ところが、収益構造を眺めると共通点が見えてくる。
それは、「一人の社員が生み出す付加価値が非常に大きい」ということである。
例えばM&A仲介では、一件の成約によって非常に大きな手数料収入が発生する。数億円、場合によってはそれ以上の企業取引を支援する仕事であるから、担当者一人が生み出す売上も大きくなる。
そのため、固定給だけではなく、業績に連動した報酬を社員に還元することができる。
一方、キーエンスは製造業でありながら、非常に高い利益率を誇っている。
2026年3月期の売上高は約1兆1693億円、営業利益は約5958億円。営業利益率は実に51.0%である。
つまり、100円売ったら約51円が営業利益として残る。
これは普通の製造業からすれば驚異的な数字である。
高い付加価値を持つ商品を開発し、販売方法を工夫し、営業活動そのものも効率化する。
その結果として会社に巨大な利益が残り、その一部を社員の高い報酬として還元できるのである。
ここで重要なのは、「高い給料を払っているから儲かる」のではなく、「儲かる仕組みがあるから高い給料を払える」という順番である。
では、なぜ世の中には年収ランキングが存在し、しかも毎年順位が変わるのだろうか。
ここに「盛者必衰」という言葉が登場する。
かつて日本企業の高収入企業といえば、銀行、証券、商社、石油会社、テレビ局などが目立った時代があった。
しかし時代が変われば、儲かる産業も変わる。
インターネットが普及すればIT企業が伸び、企業再編が活発になればM&A会社が伸びる。都市開発が進めば不動産会社が利益を伸ばし、製造業でも世界的に競争力のある特殊な製品を持つ企業は大きな利益を生み出す。
実際、2024年の高年収ランキングではM&Aキャピタルパートナーズが1位、三菱商事が2位、キーエンスが3位だった。
ところが、最新のランキングでは顔ぶれが変わっている。
つまり「今、最も儲かっている会社」と「30年後も最も儲かっている会社」は同じではない可能性が高いのである。
では、時代が変わっても比較的強い収益構造とは何だろうか。
私は、三つあると思う。
一つ目は、高い付加価値を提供できること。
二つ目は、社員一人当たりの生産性が高いこと。
そして三つ目は、時代が変わっても必要とされる需要を持っていることである。
単に一時的なブームに乗って儲けるのではなく、「顧客が高いお金を払ってでも欲しいもの」を持っている企業は強い。
さらに、その商品やサービスを少人数で効率よく提供できれば、利益率は高くなる。
そして、その利益を設備投資、研究開発、人材、ブランドなどに再投資する。
この循環が回り続ければ、企業は社員にも高い給料を支払うことができる。
結局のところ、「年収1500万円を払える会社」とは、単に気前のいい会社ではない。
高い価格を受け取れる商品やサービスを持ち、それを効率よく提供し、一人ひとりが大きな付加価値を生み出している会社なのである。
だから、高年収ランキングを見るときには、「どの会社が1位なのか」だけを見るのではなく、「なぜ、この会社はこんなに稼げるのか」と考えてみると面白い。
ランキングの順位はいずれ変わる。
企業も栄枯盛衰を繰り返す。
しかし、「高い付加価値」「高い生産性」「継続的な需要」という三つの条件は、時代が変わっても企業の強さを考える上で重要な物差しになる。
そしてそれは、企業だけの話ではない。
個人の給料について考えるときにも、まったく同じことが言える。
高い給料をもらう人とは、必ずしも長時間働いている人ではない。
「一時間でどれだけ大きな価値を生み出せるか」。
企業の収益構造を眺めていると、実は個人の人生における「稼ぐ力」についても、同じ原理が見えてくるのである。
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