バブル崩壊と就職氷河期世代――一世代の人生を変えてしまった「失われた入口」

フリーマン柴賢二郎の流儀

~そよ風に吹かれて、ゆっくりと歩いていこう~

世の中に起きている不思議なことや、独り言などをゆる~く書き綴る。

何の専門家でもない私が経済的自由を得て、人生のこと、世の中のこと、

幸せについてなど、一般庶民の目線で考える。

 

バブル崩壊と就職氷河期世代――一世代の人生を変えてしまった「失われた入口」

 

1990年代初頭、日本はバブル経済の崩壊という歴史的な転換点を迎えた。

株価や地価は急落し、多くの企業や金融機関が深刻な経営危機に陥った。

この出来事は日本経済全体に長期的な停滞をもたらしたが、その中でも特に大きな影響を受けたのが「就職氷河期世代」である。

 

就職氷河期とは、おおよそ1993年から2005年頃まで続いた新卒採用の極端な冷え込みを指す。

この時代に学校を卒業した若者たちは、能力や努力とは関係なく、「生まれた時代」によって人生のスタートラインが大きく左右されてしまった。

 

バブル期には企業は積極的に人材を採用していた。

学生一人に対して複数の求人があり、売り手市場だった。

内定を何社も獲得する学生も珍しくなく、企業は将来の成長を見込んで新卒を大量採用していた。

 

しかし、バブルが崩壊すると状況は一変する。

 

企業は利益を失い、生き残ることが最優先となった。

まず削減されたのが新卒採用である。

将来への投資よりも、目先のコスト削減が優先されたため、多くの企業が採用人数を半減、あるいは採用そのものを見送るようになった。

 

当時の学生たちは、何十社受けても内定がもらえないという状況に直面した。

優秀な大学を卒業していても就職できず、ようやく見つけた仕事も契約社員や派遣社員、アルバイトであることが少なくなかった。

 

本来なら社会人として経験を積み、技術や人脈を築く20代前半という最も重要な時期を、非正規雇用で過ごさざるを得なかった人が数多くいたのである。

 

ここで重要なのは、一度つまずくと、その後も立て直すことが非常に難しかった点である。

 

日本企業は新卒一括採用を重視する文化が強い。

そのため、新卒で正社員になれなかった人は、中途採用でも「職歴がない」「経験不足」と評価され、不利な立場に置かれ続けた。

 

つまり、最初の入口でつまずくことが、その後の人生全体に影響を及ぼしたのである。

 

収入が伸びなければ貯蓄も難しい。

結婚や住宅購入、子育てにも踏み切れない。

将来への不安から消費も控えるようになる。

 

この影響は本人だけにとどまらなかった。

 

結婚率や出生率の低下にも少なからず影響を与え、日本社会全体の少子化問題をさらに加速させたとも言われている。

 

また、老後資金の形成にも大きな差が生まれた。

 

正社員として働き続けた人は昇給や退職金、厚生年金などの恩恵を受けやすい。

一方、非正規雇用が長かった人は、生涯賃金が数千万円単位で低くなるケースもある。

年金額にも差が生まれ、老後の生活にも影響が及ぶ。

 

つまり、就職氷河期とは、一時的な就職難ではなく、一生続く経済格差を生み出す入り口になってしまったのである。

 

もちろん、厳しい環境の中でも努力を重ね、自ら道を切り開いた人も数多く存在する。

資格を取得した人、起業した人、転職を繰り返してキャリアを築いた人など、それぞれが懸命に人生を切り開いてきた。

 

しかし、それは本人の努力だけで説明できる問題ではない。

 

社会全体が若者を受け入れる余裕を失っていた時代だったのである。

 

この経験は、現在の日本にも重要な教訓を残している。

 

経済危機が訪れたとき、企業が真っ先に採用を止めてしまえば、その影響は何十年にもわたって続く可能性がある。

一時的な経費削減は企業を守るかもしれないが、若い世代の将来を奪えば、やがて社会全体の活力まで失われてしまう。

 

バブル崩壊は株価や地価を下げただけではなかった。

 

それは、一世代の人生設計を大きく変え、日本社会の人口構造や経済、さらには将来への希望にまで長い影を落とした出来事だったのである。

 

歴史を学ぶ意味は、過去を知ることだけではない。

 

同じ過ちを繰り返さないために、社会がどのような選択をすべきだったのかを考えることである。

就職氷河期世代が経験した苦難は、日本が未来へ進むために決して忘れてはならない歴史の一ページなのである。

 

 

 

※フリーマン柴賢二郎の著書をアマゾンで販売中です。

サラリーマンは太陽光発電所を買ってお金の勉強をしなさい!: サラリーマンのあなたに贈る! 人生100年時代を賢く生き抜くためのガイドマップ | フリーマン柴賢二郎 | 金融・投資 | Kindleストア | Amazon

ドライブ・(ウィズ)・マイ・マザー | フリーマン柴賢二郎 | 小説・サブカルチャー | Kindleストア | Amazon

閉ざされた扉が開かれる時: 孤高の改革者が挑む魂を懸けた組織改革  反発と葛藤の末に掴む希望の光 | フリーマン柴賢二郎 | 小説・サブカルチャー | Kindleストア | Amazon

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA