資本主義が生み出した豊かさ――人類史上最大の経済成長の功績

フリーマン柴賢二郎の流儀

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資本主義が生み出した豊かさ――人類史上最大の経済成長の功績

 

前回は、アダム・スミスが提唱した「見えざる手」と市場経済の仕組みについて解説した。

今回は、資本主義が実際に人類社会へもたらした成果について考えてみたい。

 

現代社会では資本主義への批判も多く聞かれる。

しかし、その一方で、資本主義が人類史上かつてない規模の豊かさを生み出したことも事実である。

 

私たちが当たり前のように享受している便利な生活は、資本主義の発展と深く結び付いているのである。

 

人類史上最大のGDP成長

 

資本主義最大の功績は、経済規模を飛躍的に拡大させたことである。

 

GDP(国内総生産)は、国や地域で生み出された付加価値の総額を示す指標だが、産業革命以降、世界のGDPは爆発的な成長を遂げた。

 

それ以前の人類社会では、多くの人々が農業に従事し、生産性は低かった。

人口が増えても生活水準はなかなか向上せず、多くの人々は貧困状態にあった。

 

しかし資本主義のもとでは、企業が利益を求めて投資を行い、生産設備を拡大し、効率化を進めた。

その結果、一人当たりの生産量が増加し、経済全体が成長したのである。

 

世界銀行などの統計を見ると、極度の貧困状態で暮らす人々の割合は、過去数十年で大幅に減少している。

もちろん課題は残るが、人類全体として見れば、かつてない規模で豊かになったことは間違いない。

 

競争が生んだ技術革新

 

資本主義の特徴の一つが「競争」である。

 

企業はより良い商品やサービスを提供しなければ生き残れない。

そのため研究開発に投資し、新しい技術を生み出そうとする。

 

自動車、飛行機、パソコン、スマートフォン、インターネットなど、現代社会を支える技術の多くは、企業同士の競争の中から生まれた。

 

例えばスマートフォンを見ても、20年前には想像もできなかった性能が、今では手のひらサイズの端末に収まっている。

 

かつては一部の富裕層しか利用できなかった技術が、量産によって安価になり、多くの人々が利用できるようになる。

この流れは資本主義の大きな強みである。

 

利益を追求する企業活動が、結果として社会全体の利便性向上につながっているのである。

 

医療と生活水準の向上

 

資本主義がもたらした恩恵は経済成長だけではない。

 

医療技術の進歩もその一つである。

 

新薬の開発、医療機器の進化、診断技術の向上などによって、人類の平均寿命は大きく延びた。

 

かつては命に関わる病気だった感染症も、ワクチンや抗生物質によって克服されるケースが増えた。

 

また、日常生活に目を向けても、その変化は明らかである。

 

冷蔵庫や洗濯機、エアコン、自動車などは、今では一般家庭に普及している。

 

数十年前の王侯貴族よりも、現代の一般市民のほうが快適な生活を送っていると言われることさえある。

 

安全な飲料水、電気、通信インフラ、物流網なども、資本主義による投資と技術革新の成果といえる。

 

日本の高度経済成長という奇跡

 

資本主義の成功例として、日本の高度経済成長は非常に象徴的である。

 

第二次世界大戦後、日本は焼け野原からのスタートだった。

 

しかし1950年代後半から1970年代前半にかけて、年平均10%前後という驚異的な経済成長を実現した。

 

企業は積極的に設備投資を行い、自動車や家電製品を世界市場へ輸出した。

 

その結果、日本人の生活は劇的に向上した。

 

「三種の神器」と呼ばれたテレビ、洗濯機、冷蔵庫が家庭に普及し、その後は自家用車やエアコンなども一般家庭へ広がった。

 

戦後の貧しい時代を知る世代にとって、この変化はまさに革命だったのである。

 

日本が世界有数の経済大国となった背景には、資本主義による投資と競争、そして勤勉な国民性があった。

 

豊かさの光と影を理解する

 

もちろん、資本主義は完璧な制度ではない。

 

格差の拡大や環境問題、過度な競争など、多くの課題も抱えている。

 

しかし、その問題点を指摘する際にも、まずは資本主義が人類にもたらした成果を正しく理解する必要がある。

 

もし資本主義が存在しなければ、現在の医療水準も、便利な生活も、豊かな食生活も実現できなかった可能性が高い。

 

重要なのは、資本主義を全面的に否定することでも礼賛することでもなく、その長所と短所を理解しながら、より良い形へと改善していくことである。

 

 

 

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