フリーマン柴賢二郎の流儀
~そよ風に吹かれて、ゆっくりと歩いていこう~
世の中に起きている不思議なことや、
ふと浮かんだ疑問などをゆる~く書き綴る
何の専門家でもない私が経済的・時間的・人間関係の自由を得て、
人生のこと、世の中のこと、幸せについてなど、
一般庶民の目線で考える
生命保険会社はどうやって利益を生むのか――見えにくいビジネスモデルの正体
生命保険は、多くの人にとって「万が一に備えるもの」という認識が強い。
しかし、その裏側で生命保険会社がどのようなビジネスモデルで成り立っているのかを深く理解している人は意外と少ない。
生命保険会社は、単に保険料を集めて保険金を支払うだけの存在ではない。
そこには、非常に計算され尽くした長期ビジネスの構造がある。
生命保険会社の基本構造は、「多数の契約者から保険料を集め、将来の支払いに備えつつ、その間の資金を運用する」という点に集約される。
ポイントは、保険金の支払いがいつ、どれくらい発生するかが統計的に予測可能であるという点だ。
死亡率や平均寿命といったデータを基に、将来の支払い額を見積もることで、事業として成立させている。
生命保険会社の利益の源泉は、一般に「三利源」と呼ばれる。
第一は「死差益」である。
これは、想定していた死亡率より実際の死亡率が低かった場合に生じる利益だ。
医療技術の進歩や健康意識の向上により、長期的には死亡率が低下しやすく、ここは保険会社にとって安定した収益源となりやすい。
第二は「費差益」である。
これは、事業運営にかかるコストを想定よりも抑えられた場合に生まれる利益だ。
営業職員の人件費、広告費、事務コストなどをいかに効率化できるかが問われる。
近年は、ネット完結型の保険やDXの進展により、費差益を拡大しやすい環境が整いつつある。
第三が「利差益」である。
これは、集めた保険料を運用して得られる運用利回りが、予定利率を上回った場合に生じる利益だ。
生命保険会社は、国債や社債、不動産、株式などに巨額の資金を投じる、国内有数の機関投資家でもある。
長期かつ安定的な運用が前提となるため、派手さはないが、資産運用の巧拙が経営に大きな影響を与える。
ここで重要なのは、生命保険会社が「超長期の資金を扱うビジネス」であるという点だ。保険契約は10年、20年、あるいは終身に及ぶ。
つまり、契約時点で将来のリスクとリターンを見通す力が問われる。
短期的な利益よりも、長期の健全性が何より重視される理由はここにある。
一方で、このビジネスモデルには弱点もある。
低金利環境が長期化すると、利差益を確保することが難しくなる。
過去に高い予定利率で販売した保険が、将来の重荷になるケースもある。
また、少子高齢化により新規契約者が減少すれば、事業の成長性は鈍化する。
それでも生命保険会社が存続し続けるのは、「不安を引き受ける」という社会的役割が本質にあるからだ。
人は将来の不確実性を完全に避けることはできない。
その不確実性を数値化し、仕組みとして引き受けることこそが、生命保険会社の価値である。
生命保険会社のビジネスモデルを理解することは、保険に加入する側にとっても重要だ。どこで利益が生まれ、どこにリスクがあるのかを知ることで、保険を「勧められるままに入るもの」から「自ら選ぶ金融商品」へと捉え直すことができる。
生命保険とは、安心を買う商品であると同時に、極めて合理的な金融ビジネスなのである。
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