フリーマン柴賢二郎の流儀
~そよ風に吹かれて、ゆっくりと歩いていこう~
世の中に起きている不思議なことや、独り言などをゆる~く書き綴る。
何の専門家でもない私が経済的自由を得て、人生のこと、世の中のこと、
幸せについてなど、一般庶民の目線で考える。
災害で車が壊れたら保険金は本当に降りる?巨額支払いでも倒産しない損害保険の裏側
数千億円規模の自然災害が起きても、なぜ損害保険会社は潰れずに保険金を払い続けることができるのか。
その謎を解き明かすカギは、被災した「車」への支払い事例と、世界規模で張り巡らされたリスク分散の仕組みにある。
熊本で約200億、千葉で約350億。車に支払われた保険金の真実
近年、日本各地で激甚化する自然災害。
過去の代表的な被災事例を見ると、熊本地震では約200億円、千葉を中心とした豪雨・水害では約350億円規模の自動車保険金が支払われた。
同じ「災害による車の被害」に見えても、この2つには補償のルールにおいて大きな違いが存在する。
まず、千葉のような豪雨による車の水没や冠水は、一般的な「車両保険」に入っていれば全額(時価額を上限)補償される。
車はエンジンの吸気系や電子基板に水が入ると修理不能(全損)になりやすいため、1台あたりの支払額が膨らみ、全体で300億円を超える巨額の支払いとなった。
一方、熊本の地震による被害は少々事情が異なる。
実は、一般的な車両保険では「地震・噴火・津波」による損害は原則として補償対象外(免責)と定められている。
熊本で200億円もの保険金が下りたのは、多くの契約者が「地震等車両全損特約」などの特殊なオプションをあらかじめセットしていたからだ。
「対人・対物」だけでは自分の車は守れない
ここで注意したいのは、「自動車保険に入っているから大丈夫」とは限らない点である。
対人賠償や対物賠償は、あくまで事故などで他人を傷つけたり、他人の物を壊したりしたときの「法律上の損害賠償責任」をカバーするものだ。
自然災害は「不可抗力」であり、誰の賠償責任も発生しない。
そのため、対人・対物保険しか入っていない場合、災害により車が水没して廃車になっても保険金は1円も下りず、全額自費で買い替えることになる。
地球温暖化の影響で、いつどこで線状降水帯が発生してもおかしくない現代において、自分の車を守るためには「車両保険」の存在が必要不可欠と言える。
巨額の集中支払いでも保険会社が倒産しない理由
では、このように数十億〜数百億円規模の保険金支払いが一気に集中したとき、保険会社は資金不足で倒産したり、支払いを拒否したりしないのだろうか。
結論から言えば、その心配は無用である。
損害保険には、万が一の巨額支払いでも破綻しないための強固なセーフティネットが組まれている。
一番のポイントは「再保険」という仕組みだ。
日本の保険会社は、集めた保険料の一部を使って、海外の巨大な再保険会社(スイス再保険やミュンヘン再保険など)の保険に加入している。
いわば「保険会社の保険」である。
日本で大規模な災害が起きて支払いが一定額を超えると、その超過分は海外の再保険会社から支払われる。
つまり、日本の災害リスクを世界中の保険マーケットに分散させているため、1社で全額を背負い込むことはない。
さらに、保険会社は法律に基づき、平常時の利益から「異常危険準備金」という大災害専用の資金を強制的に積み立てている。
加えて、国の基準(200%以上)を遥かに超える高い資金余力(ソルベンシー・マージン比率)を日頃から維持しているため、単発の巨大災害で資金が枯渇することはない。
ちなみに建物の地震保険に至っては、民間だけでは賄いきれない超巨大地震に備え、日本政府と共同で運営されている。
まとめ:仕組みを知り、自分の車の補償内容を確認しよう
損害保険は、単に「加入者から集めたお金を配っている」だけのビジネスではない。
世界規模でのリスク分散、厳格な積立制度、そして国との連携という多層構造によって成り立っている。
こうした綿密な仕組みがあるからこそ、私たちは大規模災害に見舞われた際にも、安心して保険金を受け取り、生活の再建へ向けて踏み出すことができるのだ。
ただし、どれほど優れた制度であっても、自分自身の契約に「車両保険」や「必要な特約」が含まれていなければ、いざという時に保険金を受け取ることはできない。
「保険に入っているから安心」と思い込まず、地球温暖化で災害が多発する今だからこそ、自分が現在加入している保険の補償内容や特約の有無を、今一度しっかり確認しておくことが大切である。
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