フリーマン柴賢二郎の流儀
~そよ風に吹かれて、ゆっくりと歩いていこう~
世の中に起きている不思議なことや、独り言などをゆる~く書き綴る。
何の専門家でもない私が経済的自由を得て、人生のこと、世の中のこと、
幸せについてなど、一般庶民の目線で考える。
「地価1.5%上昇」の嘘と現実。居住誘導区域「外」に取り残される私たちが今すぐやるべき防衛術
はじめに: ニュースの「平均値」に騙されてはいけない
「全国の地価が平均1.5%上昇し、数年連続の上がり幅を記録した」
このようなニュースを聞いて、「我が家の土地も少しは価値が上がったかもしれない」と胸を躍らせた人は少なくないだろう。
しかし、結論から言えば、この淡い期待は多くの場合裏切られることになる。
なぜなら、この「平均1.5%上昇」という数値は、都市部や一部の限定されたエリアの爆発的な値上がりが全体を引き上げているだけに過ぎないからだ。
現実の不動産市場で起きているのは、「上がる場所は上がり続け、下がる場所は下がり続ける」という凄惨なまでの二極化・多極化(K字化)である。
今回は、この地価上昇ニュースの裏にある真実と、その運命を分ける制度、そして「価値が下がり続けるエリア」に住む私たちが取るべき現実的な防衛策について考える。
- なぜ「平均値」と「実感」がズレるのか?
地価の上昇を力強く牽引しているのは、主に以下のエリアである。
都市部の商業地・駅近エリア: 訪日外国人(インバウンド)の回復による店舗・ホテル需要や、再開発によるオフィス需要。
利便性の高い住宅地・開発地域: 東京・大阪などの三大都市圏や地方主要都市(札幌・仙台・広島・福岡等)、および大型工場などの投資が集まる一部の地域。
一方で、人口減少が進む地方の郊外や山間部では、下落傾向または横ばいが続いている。
例えば、一部の超優良エリアが「+10%」上昇し、その他の広大な郊外住宅地が「-2%」下落していても、全体を平均すれば「+1.5%」というプラスの数字が作れてしまう。
つまり、平均値の上昇に喜べるのはごく一部の都市の地主であり、圧倒的多数の郊外の土地所有者にとっては「がっかりする現実」が横たわっているのだ。
- 運命の分かれ道「立地適正化計画」と「居住誘導区域」
この二極化を決定づけ、さらに加速させているのが、国や自治体が推進する「立地適正化計画」という制度である。
令和7年12月31日時点で、全国の947もの都市がこの計画に向けて具体的な取り組みを行ってる。
人口減少社会において、自治体がすべてのエリアにインフラ(道路・水道・公共交通・医療機関)を網羅的に維持し続けることは財政的に不可能だ。
そこで、街のエリアを次の2つに分類する「コンパクトシティ化」が進められている。
① 居住誘導区域(内)
行政が「医療・福祉・商業施設・交通網を優先的に維持・投入し、人口密度を保って住み続けてもらう」と定めたエリア。
利便性が保証されるため需要が集まり、土地の資産価値は維持・上昇しやすい。
② 居住誘導区域(外)
行政サービスや公共交通の維持が段階的に縮小される可能性のあるエリア。
新築の抑制やインフラ整備の優先順位低下が懸念され、買いたい人や住みたい人が減るため、地価の下落傾向が強まる。
恐ろしいのは、同じ市区町村内であっても、道路一本挟んで誘導区域の「内」か「外」かによって、将来の地価も生活利便性も180度変わってしまうという事実だ。
かつての「土地を持っていれば安心」という地価神話は完全に崩壊し、「資産になる土地」と「リスクになる土地」の格差が開く時代に突入している。
まとめ:居住誘導区域「外」に住む私たちが今すぐやるべき準備
では、現在「居住誘導区域外」に住んでいる、あるいは実家がそこにある場合、私たちはどう行動すべきなのだろうか。
年を追うごとに周囲の環境は縮小し、買い物や通院は困難になり、土地の価値は下がり続けていく。
この現実の中で逃げ場を失わないためには、不都合な未来を直視し、元気なうちに「能動的な選択」を行うことが唯一の解決策となる。
具体的には、以下の3つの視点とアクションを持って準備を進めるべきである。
➀「土地=資産」という執着を捨てる(マインドの転換)
「いつか売れる」「子どもに残せる」という期待を捨てることだ。
価値が下がり続ける土地は、持ち続けるだけで固定資産税や管理コストがかかり続ける「負動産」にしかならない。
「住み慣れた自宅で最期まで」に執着しすぎることが、交通や医療から見放された老後のQOL(生活の質)を著しく下げるリスクになることを知るべきである。
➁「動けるうち」の早期脱出とコンパクト化
判断力と体力が維持できているうちに、以下の選択肢を具体化する。
・居住誘導区域内への移転: 自宅を売却(または処分)し、利便性の高い誘導区域内の賃貸住宅や高齢者向け住宅へ引っ越す。
・子ども世代との同居・近居: 郊外に取り残される前に、都市部に住む子ども世代の近くへ拠点を移す。
③資産の「損切り」と権利の生前整理
・安くても買主がいるうちに手放す: 高値にこだわっているうちに買い手がゼロになるのが一番危険だ。
「買いたたかれても売る」損切りの決断が最大の防衛になる。
・制度の活用: 売却不能な土地は「相続土地国庫帰属制度」や空き家バンクの利用を検討し、次世代に負の遺産を押し付けない準備をする。
・家族信託や意思決定の準備: 認知症などで判断能力が低下すると不動産の売却手続き自体が凍結してしまう。
元気なうちに家族会議を開き、処分の権限を子に託すなどの契約を交わしておく。
「平均地価上昇」の明るいニュースに惑わされてはいけない。
真実に目を向け、自分が置かれている立ち位置を把握し、できるだけ早く自らの手で将来の生活と資産を再設計することこそが、これからの時代を生き抜くために最も求められているのだ。
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