日本はなぜ30年連続「対外純資産」世界一なのか──その中身と背景を読み解く

 

フリーマン柴賢二郎の流儀

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日本はなぜ30年連続「対外純資産」世界一なのか──その中身と背景を読み解く

 

今回は、日本が30年以上にわたり世界一を維持している「対外純資産」について考えてみたい。

 

まず、対外純資産とは何か。

これは「海外に持っている資産」から「海外に対して負っている負債」を差し引いた純額のことである。

企業で言えば、海外版の“純資産”のようなものだ。

 

日本の対外純資産残高は、近年では400兆円を超える水準に達している。

これは世界最大規模であり、2位以下を大きく引き離している。

 

対外純資産の中身

 

では、その中身は何か。

主な内訳は以下の通りである。

 

1,直接投資(海外企業の買収や現地法人設立など)

2,証券投資(外国株式・外国債券の保有)

3,その他投資(貸付金や貿易信用など)

4,外貨準備

 

特に大きいのは、企業による直接投資と、機関投資家による証券投資である。

 

日本企業は世界中に工場や子会社を持ち、年金基金や保険会社は海外の株式・債券に巨額の資金を投じている。

 

象徴的なのは、世界最大級の年金基金である年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)である。

同法人は運用資産の半分近くを外国株式・外国債券に配分している。

 

日本の高齢化社会を支える資金が、世界経済に投資されている構図である。

 

日本はどこの国に多く投資しているのか(上位5か国)

 

日本の対外資産の投資先は、主に以下の国々である。

 

1,アメリカ合衆国

2,中国

3,イギリス

4,オランダ

5,ドイツ

 

最大の投資先は圧倒的にアメリカである。

米国債や米国株式、現地法人投資などが中心である。

 

中国は製造拠点や市場として重要であり、イギリスやオランダは金融ハブとしての役割が大きい。

 

ドイツは欧州最大の経済大国として存在感がある。

 

この構図を見ると、日本の資産は「成長市場」と「金融センター」に集中していることが分かる。

 

なぜ日本は世界一なのか

 

では、なぜ日本は30年以上も世界一なのか。

 

理由は大きく三つある。

①長年の経常黒字

 

日本は1980年代以降、長期にわたり貿易黒字・経常黒字を積み上げてきた。

モノやサービスを海外に売って得た外貨を、そのまま海外投資に回してきたのである。

「稼いだお金を使い切らず、投資に回す国」であった。

 

②国内市場の成熟

 

バブル崩壊後、日本国内の成長率は低下した。

企業は成長を求め、海外へ進出した。

国内に投資機会が少なければ、資金は自然と海外へ向かう。

これが対外資産の積み上げにつながった。

 

③円高と投資文化

 

円高局面では、海外資産を安く買える。

歴史的に円高局面が何度もあったことも、海外投資を後押しした。

また、日本の家計は預金志向が強いが、機関投資家は堅実に海外資産を積み上げてきた。

 

世界一であることの意味

 

重要なのは、「対外純資産世界一 = 国内が豊か」と単純には言えない点である。

 

対外純資産は“国全体の貸借対照表”の話であり、個人の可処分所得とは別問題である。

しかし、世界に対して巨額の債権を持つ国であるという事実は、日本の信用力の高さを示している。

 

日本は「世界最大の債権国」である。

国内では「借金大国」と言われるが、海外との関係で見れば、実は極めて堅実な立場にある。

 

30年連続世界一。

それは偶然ではなく、長年の黒字積み上げと慎重な資本蓄積の結果である。

 

静かに、しかし確実に世界へ資産を広げてきた日本。

その姿は派手ではないが、まさに“堅実国家”そのものである。

 

今日もまた、日本の見えにくい強さに気づく一日でありたい。

 

 

 

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