老齢年金は本当に破綻するのか?――給付のしくみと財源、数字で見る日本の年金制度

フリーマン柴賢二郎の流儀

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老齢年金は本当に破綻するのか?――給付のしくみと財源、数字で見る日本の年金制度

 

老齢年金を給付するしくみとは何か

 

「将来、年金はもらえるのか」「制度は破綻しないのか」。

老齢年金に対する不安は、世代を問わず広がっている。

だが、日本の年金制度は感覚やイメージだけで語られがちであり、実際の仕組みを正しく理解している人は意外と少ないように思う。

 

老齢年金は、大きく分けて「国民年金(基礎年金)」と「厚生年金」から成り立っている。国民年金は全国民共通の土台であり、厚生年金は会社員・公務員が上乗せとして加入する制度である。

 

財源はどこから来ているのか

 

老齢年金の財源は、主に三つで構成されている。

第一に、現役世代が支払う保険料。

第二に、国庫負担、すなわち税金。

第三に、積立金(年金積立金管理運用独立行政法人=GPIFが運用)。

 

日本の公的年金は「賦課方式」を基本としている。

これは、現役世代が支払った保険料を、その時点の高齢者の年金給付に充てる方式である。

完全な積立方式ではないため、「自分が払った分をそのまま自分が将来受け取る」制度ではない。

 

なお、基礎年金については給付の約半分が税金で賄われている。

年金は「保険」であると同時に、「社会保障」でもある点が重要である。

 

給付額はどう変わってきたのか

 

老齢年金の給付額は、過去を振り返ると一貫して右肩上がりだったわけではない。

高度経済成長期からバブル期にかけては、賃金上昇に伴い給付水準も拡大した。

 

しかし、2000年代以降は状況が変わった。

少子高齢化が進み、現役世代が減少する一方で、受給者は増加した。

その結果、給付額は「名目では横ばい、実質では抑制」という形で調整されてきた。

 

特に重要なのが「マクロ経済スライド」である。

これは、物価や賃金が上昇しても、少子高齢化の進展分を差し引いて年金額を調整する仕組みだ。

これにより、制度全体が持続可能になるよう設計されている。

 

なぜ「破綻しない仕組み」なのか

 

「年金はいつか破綻する」という言説は根強いが、制度設計上、年金は簡単には破綻しない。

理由は三つある。

 

第一に、給付水準を自動的に調整する仕組みが組み込まれている点である。

人口動態や経済状況が悪化すれば、給付額が抑制されるため、支出が制御される。

 

第二に、保険料率には上限があり、すでに固定されている点だ。

将来世代に過度な負担を押し付けない設計になっている。

 

第三に、積立金の存在である。

年金積立金は、短期的な収支悪化を吸収するクッションとして機能している。

 

つまり、年金は「高い給付を保証する制度」ではないが、「制度そのものが崩壊する可能性は低い」仕組みになっているのである。

 

不安の正体と向き合い方

 

老齢年金への不安の多くは、「昔と同じ水準でもらえるのか」という期待とのギャップから生じている。

制度は守られるが、生活をすべて年金に依存できる時代ではない。

 

だからこそ重要なのは、年金を「老後の土台」と捉え、その上に自助努力や働き方の工夫を重ねる発想である。

年金制度を正しく理解することは、不安を煽る情報に振り回されないための第一歩だ。

 

老齢年金は、完璧ではない。

しかし、破綻を前提に語るほど脆弱でもない。

その現実を冷静に受け止めることが、これからの時代を生きる上での知恵である。

 

 

 

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