「オルカンの為替リスクを正しく理解する —— 長期投資家が知っておきたい“円と世界”のリアル」

フリーマン柴賢二郎の流儀

~そよ風に吹かれて、ゆっくりと歩いていこう~

世の中に起きている不思議なことや、

ふと浮かんだ疑問などをゆる~く書き綴る

何の専門家でもない私が経済的・時間的・人間関係の自由を得て、

人生のこと、世の中のこと、幸せについてなど、

一般庶民の目線で考える

 

「オルカンの為替リスクを正しく理解する —— 長期投資家が知っておきたい“円と世界”のリアル」

 

オルカン(全世界株式インデックスファンド)は、今や長期投資の“定番”といえる商品である。

プロの投資家、金融の専門家、多くのYouTuberが口を揃えておすすめするのは、世界全体の経済成長をまるごと取り込めるからである。

しかし、その一方で、「為替リスク」という言葉を耳にするたびに、不安を感じる投資家も少なくない。

 

今回は、長期投資家が絶対に押さえておきたい「オルカンの為替リスク」を、できるだけ分かりやすく深掘りしてみたい。

 

■ オルカンの約90%は外国資産だから、為替の影響は避けられない

 

オルカンに含まれる日本株の比率は10%前後である。

それ以外は外国株で構成されている。

つまり、オルカンとは「実質的に外国株を買っているに等しい」商品である。

 

外国株に投資する以上、必ずついて回るのが為替リスクである。

代表的な例でいえば、日本人がオルカンを買うときには、以下の流れで価値が変動する。

 

  1. 投資対象である海外企業の株価が上がるか下がるか

 

  1. 円に換算した時の為替レート(円高か円安か)

 

この2つの要素が同時に動くため、「投資して利益が出たと思ったのに、円高で目減りした」というケースは普通に起こり得る。

 

■ 為替リスクの“怖さ”が誤解されやすい理由

 

多くの投資初心者が「為替リスク=危険」と考えがちだが、それは半分正しく、半分は誤解である。

 

  • “短期的”には確かに大きな影響を受ける

 

例えば、1ドル150円の時にオルカンを買ったあと、円高が進み120円になれば、円ベースの資産価値は20%近く減る。

株価が上がっていても、為替で相殺されてマイナスになることもある。

だから、短期では為替リスクは確かに「ブレの大きい不安定要因」である。

 

  • “長期的”にはリスクというより「報われやすい揺らぎ」

 

しかし、長期投資の場合、この見方は変わる。

なぜなら、為替には長期的な平均回帰の性質があるからだ。

 

円高と円安はサイクルのように行き来し、極端な動きは永遠には続かない。

実際、過去50年を振り返っても、円は上下動を繰り返しながら大きく戻ってきている。

 

つまり、短期では「円高に振れれば損をする」ように見えても、長期では為替による損益はある程度相殺される傾向がある。

このため、長期投資での為替リスクは「不必要に恐れるものではない」というのが専門家の一致した見解である。

 

■ 円安の時代は、むしろ“オルカンの追い風”になる

 

日本は人口減少、国内消費の縮小、高齢化、成長力の弱体化などの構造的問題を抱えている。

それに対し、米国を中心とする世界株式は人口増加とイノベーションによって成長を続けている。

 

この構造差を背景に、円安の方向へ進みやすいと言われている。

 

もし円安が長期的に進むと仮定すると、

オルカンのような外国資産への投資は、「株価の成長 × 為替の追い風」というダブルの恩恵を受けやすい。

 

実際、ここ10年はまさにその状態で、円安がオルカン投資家のリターンを強力に押し上げた。

 

■ とはいえ、為替リスクを舐めてはいけない「2つの理由」

 

「長期なら問題ない」とはいえ、完全に無視するのも危険である。

特に以下の2点は押さえておくべきである。

 

① 円高局面では精神的に耐えられない投資家も多い

 

円高が一気に進むと、株価が上がっていても資産は減る。

この「成績の悪化」が精神的ストレスとなり、

本来なら保有し続けるべきなのに途中で売ってしまう“失敗パターン”が多い。

 

為替リスクの本当の怖さは「精神的耐性」を問われる点にある。

 

② 生活は“円”で行われている

 

いくらオルカンがドルベースで成長しても、最終的に円で取り崩す以上、円高のタイミングによっては受け取る額が減ることもある。

 

長期の取り崩し期には、円高時の取り崩しはわかりやすく不利になるため、リスク管理が必要である。

 

■ では、オルカン投資の為替リスクとどう付き合うべきか?

 

結論として、個人投資家が取るべきスタンスは以下の3つである。

 

① 長期前提なら、為替は“気にしすぎない”

 

為替は誰にも読めず、読んでも当たらない。

長期投資においては、複雑に考えすぎるほど成果が下がる。

 

② 積立投資で時間分散をする

 

円高でも円安でも一定額で買い続ければ、平均取得単価に為替のブレが馴染んでいく。

 

“ドルコストは為替リスクと相性が良い”というのは、これが理由である。

 

③ 将来の生活費の一部を外貨資産で持つイメージを持つ

 

オルカンを「円の弱さに備える保険」と捉えると、為替リスクはむしろ役割の一部になる。

 

長期にわたる日本の構造的低成長を考えると、外国資産を一定割合持つこと自体がリスク分散である。

 

■ まとめ:為替リスクは“敵”ではなく、世界投資の一部

 

オルカンの為替リスクは、短期では大きく資産を揺らすが、長期では必要以上に恐れるものではない。

むしろ、世界の成長と円の構造的弱さを踏まえると、長期投資家にとって“味方になる可能性”さえある。

 

オルカンとは、

「世界の成長 × 為替の波」

この両方を取り込んでいく投資商品である。

 

為替リスクを正しく理解すれば、オルカンという投資の本質がよりクリアに見えてくるだろう。

 

 

 

※フリーマン柴賢二郎の著書をアマゾンで販売中です。

サラリーマンは太陽光発電所を買ってお金の勉強をしなさい!: サラリーマンのあなたに贈る! 人生100年時代を賢く生き抜くためのガイドマップ | フリーマン柴賢二郎 | 金融・投資 | Kindleストア | Amazon

ドライブ・(ウィズ)・マイ・マザー | フリーマン柴賢二郎 | 小説・サブカルチャー | Kindleストア | Amazon

閉ざされた扉が開かれる時: 孤高の改革者が挑む魂を懸けた組織改革  反発と葛藤の末に掴む希望の光 | フリーマン柴賢二郎 | 小説・サブカルチャー | Kindleストア | Amazon

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA