フリーマン柴賢二郎の流儀
~そよ風に吹かれて、ゆっくりと歩いていこう~
世の中に起きている不思議なことや、
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何の専門家でもない私が経済的・時間的・人間関係の自由を得て、
人生のこと、世の中のこと、幸せについてなど、
一般庶民の目線で考える
歌手とアイドルの収入の仕組み
――さだまさしとAKB48を例に考える――
さだまさしがテレビで歌っている姿を見て、素晴らしい歌だと心酔していた時、ふと、こういう人達はどのようにして収入を得ているのか疑問が沸いた。
音楽の世界は華やかに見えるが、その裏には複雑で現実的な「お金の流れ」がありそうだ。
今回は、日本を代表する私が大好きなシンガーソングライター・さだまさしと、誰もが知っている国民的アイドルグループ・AKB48を例に、収入の仕組みや生活の実態を掘り下げてみたい。
1.収入源の違い
まず、歌手やアイドルの主な収入源は「音楽活動」と「メディア活動」に分けられる。
しかし、その比重や仕組みは大きく異なるようだ。
さだまさしの場合、作詞・作曲・歌唱のすべてを自分で行う「シンガーソングライター」である。
したがって、彼の収入は主に以下のような形で入る。
・CD・配信などの著作権料(作詞作曲者として)
・ライブやコンサートのチケット収入
・出演料(テレビ・ラジオ・講演など)
・書籍の印税(エッセイや小説も執筆している)
特に、作詞作曲の権利を持つ点が大きい。
一度ヒット曲を出せば、その曲がテレビで使われたり、カラオケで歌われたりするたびに「印税」が入る。
たとえば彼の代表曲「関白宣言」や「北の国から」などは何十年も歌い継がれており、今でも安定した収入をもたらしているという。
一方、AKB48のようなアイドルグループの場合は、少し仕組みが違っている。
メンバー個人ではなく、グループ全体が「プロジェクト」として運営されており、主な収入源は次のようなものになる。
・CD売上や握手会・特典イベントの収益
・ライブやグッズ販売の収益
・メディア出演料(テレビ、ラジオ、CMなど)
・ファンクラブや動画配信サービスの収入
ただし、これらの多くは「運営会社(AKB48グループ運営など)」に入る。
メンバー個人は、基本的に「所属事務所」から給料や歩合として支払われる。
いわば、会社員に近い仕組みである。
人気メンバーはCMやドラマ出演など個人仕事が増えるため、その分だけ報酬も上がる。
しかし、駆け出しのメンバーは、バイト程度の収入しか得られないことも少なくないそうだ。
2.お金の使い道と支出面
さだまさしは、過去に映画制作に自費で挑戦し、35億円もの借金を抱えたことでも有名だ。
それほどまでに「創作」に情熱を注ぎ、リスクを負うタイプのアーティストである。
成功しても、その裏には多額の制作費、スタッフへの報酬、機材費、ツアーの経費などがかかる。
シンガーソングライターは「自由な代わりに自己責任」が伴う職業なのだ。
一方で、アイドルは事務所や運営会社がほとんどの経費を負担する。
衣装、ダンスレッスン、プロモーションなどのコストは会社持ちだ。
メンバーは基本的に「パフォーマンスに集中」できるが、その分「収入の配分」が小さくなる。
人気と努力が直接報酬に結びつくとは限らない。
ビジネスとしては、運営側が大きなリスクとリターンを背負っている構造といえる。
3.デビューまでの道のり
さだまさしは、もともと「グレープ」というフォークデュオでデビューした。
当時は学生で、ライブハウスやコンテストで実力を磨き、レコード会社に見いだされた。
つまり、純粋に「音楽の力」で道を切り開いたタイプである。
デビュー当初から自作曲を歌っていたため、表現力と独自性が評価され、やがてソロ活動へと進んだ。
AKB48の場合は、まったく異なる。
「オーディション制」によって選ばれ、プロデューサー秋元康のコンセプトのもとに「会いに行けるアイドル」として誕生した。
歌唱力よりも「個性」や「努力する姿」が重視され、ファン投票(総選挙)などで人気が競われる仕組みが作られた。
つまり、AKB48は個人の音楽性よりも「集団の物語性」に価値を置いたビジネスモデルである。
4.彼らの日常生活
華やかに見える芸能人の世界だが、実際は厳しいスケジュールの連続のようだ。
さだまさしは今も年間100公演近くのコンサートを行っており、移動やリハーサル、打ち合わせなどで多忙を極める。
しかし、彼は旅先で日記を書き、エッセイを執筆するなど、常に創作の種を探している。
日常生活も「作品の一部」として捉えるタイプの芸術家である。
AKB48のメンバーたちは、早朝からレッスン、テレビ収録、イベント出演、握手会などが続く。
ときには一日に数十人のファンと握手を交わし、夜遅くまで練習をすることもあるそうだ。
プライベートの時間はほとんどなく、学校と芸能活動を両立しているメンバーも多いらしい。
一見キラキラしているが、実際には「努力と忍耐の積み重ね」で成り立っているのだ。
5.同じ「音楽の世界」に生きる者として
さだまさしとAKB48――この二者はまるで正反対の存在に見える。
一方は「自分の音楽で生きるアーティスト」、もう一方は「チームで夢を届けるアイドル」。
しかし、共通しているのは「人の心を動かしたい」という情熱が背後に見える。
そして、どちらの形にも、それぞれのリスクと覚悟がある。
音楽の世界で生きるというのは、単に歌が上手いだけでは続かない。
自分なりの「物語」を持ち、それを表現し続ける力が求められる。
それこそが、長く愛されるアーティストの条件であり、さだまさしが何十年も第一線で活躍している理由でもあるのだ。
まとめ
歌手やアイドルの収入は、華やかに見えて実はシビアなのだ。
さだまさしのように「創作と印税」で生きる人もいれば、AKB48のように「運営とファンの支え」で成り立つ人もいる。
どちらも努力と信念なしには成り立たない世界である。
表舞台のきらびやかさの裏には、膨大な練習と自己管理、そして“音楽に生きる”という強い覚悟がある。
その覚悟こそが、私たちの心を動かす最大の原動力なのだ。
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