日本の総理大臣はなぜ頻繁に変わるのか?

フリーマン柴賢二郎の流儀

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一般庶民の目線で考える

 

 

日本の総理大臣はなぜ頻繁に変わるのか?

2025年10月4日、自民党総裁選挙の投開票が行われ、高市早苗氏が当選した。

そして日本国憲法第6条(天皇は国会の指名に基づい内閣総理大臣を任命する)に則り、天皇に任命されることで総理大臣となる。

私個人としては、高市氏に期待しつつ応援したいと思っている。

少なくとも、選挙前に国民に向けて約束したことは、時間がかかっても実行してほしいと願う。

 

そこでふと疑問が浮かんだ。

アメリカの大統領は4年の任期ごとに選ばれるのに対し、なぜ日本の総理大臣は1年も経つかたたぬうちに頻繁に交代するのはなぜだろう。

このあたりを学び直してみたい。

 

1.制度の違い

 

アメリカは「大統領制」といって、国民が直接大統領を選ぶ。

大統領は行政のトップであり、議会(国会のようなもの)とは別の独立した権限を持つ。だから、よほどのことがない限り、任期の途中で辞めることはない。

 

一方、日本は「議院内閣制」をとっている。

国民が選ぶのは国会議員であり、総理大臣はその中から国会で選ばれる。

つまり、総理大臣は「議員の信頼」を失えば交代しなければならないのだ。

支持を失えばすぐに辞任する、というのが日本の特徴となっている。

 

2.日本の制度のメリットとデメリット

 

この制度には良い面と悪い面がある。

 

メリットは、柔軟にリーダーを変えられることだ。

もし政策が行き詰まったり、国民の不満が高まったりしたとき、早めに新しいリーダーを選び直すことができる。

また、与党(政権を持つ政党)が一致団結しているときは、国会での決定が早く進むという利点もある。

 

デメリットは、政治が安定しにくいこと。

リーダーが頻繁に変わると、長期的な政策が進みにくく、外国からも「日本の政治は落ち着かない」と見られてしまう。

外交関係でも、相手国のトップがころころ変わると信頼関係を築きづらくなってしまう。

 

3.諸外国の制度

 

イギリスやドイツなども日本と同じ「議院内閣制」だが、日本ほど総理(首相)が短期間で交代することはあまりない。

これは、政党の内部でのリーダー選びや議会の仕組みが少し異なるからだ。

たとえばイギリスでは、首相が党内で強いリーダーシップを持ちやすく、任期が比較的長く続く傾向がある。

 

4.日本の総理大臣 在任期間トップ3と短命トップ3

 

長く務めた総理大臣トップ3

 

1位 安倍晋三(第90・96〜98代) 約8年8か月(2012年12月〜2020年9月)

経済政策「アベノミクス」で支持を集め、党内の結束を保ちながら政権を安定させた。外交にも力を入れ、長期政権を維持した。

 

2位 佐藤栄作(第61〜63代) 約7年8か月(1964年11月〜1972年7月)

高度経済成長期の安定した経済運営と、沖縄返還の実現で長期政権を確立。党内基盤が強く、対立が少なかった。

 

3位 吉田茂(第45・48〜51代) 約7年5か月(1946年5月〜1954年12月)

戦後復興と独立回復を主導。経済重視の政策とアメリカとの関係構築で支持を得た。

 

長期政権の共通点:

・党内の支持が強いこと

・経済が安定している時期に就任していたこと

・外交で成果を上げていたこと

 

短かった総理大臣トップ3

 

1位 東久邇宮稔彦(ひがしくにのみや なるひこ)(第43代) 約54日(1945年8月〜10月)

終戦直後の混乱期に就任。戦後処理と占領政策の開始で内閣が短期間で交代。

 

2位      羽田孜(はた つとむ)(第80代) 約2か月(1994年4月〜6月)

与党が分裂し、国会で過半数を失ったため、政権を維持できず退陣。

 

3位      宇野宗佑(うの そうすけ)(第75代) 約2か月(1989年6月〜8月)

政治スキャンダルや参議院選挙での大敗により、短期間で辞任。

 

短命政権の共通点:

・政治スキャンダルや不祥事による信頼低下

・与党内の対立や支持基盤の弱さ

・選挙での敗北、あるいは政治的混乱期に就任

 

長期政権の背景には「安定した政党運営」と「国民の一定の支持」がある。

反対に、短命政権は「政治的混乱」や「党内対立」「信頼の欠如」が原因だった。

 

つまり、日本の総理が長く続くかどうかは、制度だけでなく「人の信頼関係」や「政治の安定」に大きく左右されるということである。

これこそ、議院内閣制の特徴でもあり、日本の政治の難しさでもあるのだ。

 

5.一般庶民として思うこと

 

私たち一般の国民から見れば、「リーダーがころころ変わるのは落ち着かない」と感じることが多いのではないか。

せっかく新しい方針が出ても、次の総理になればまた変わる・・・。

その繰り返しでは、生活に直結する政策が進みにくくなってしまう。

一方で、もしリーダーが間違った方向に進んでいるなら、早く交代できるという点では安心だ。

要するに、制度そのものよりも、政治家一人ひとりが国民の声をどれだけ真剣に聞くかが大事なのだと思う。

 

6.まとめ

 

アメリカと日本の違いは、「大統領制」と「議院内閣制」という制度の構造にある。

日本の仕組みは柔軟である反面、安定しにくいという問題もある。

これからの政治には、制度に頼るだけでなく、リーダーが長く信頼されるような政治文化を築くことが求められているのではなかろうか。

 

 

 

 

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