フリーマン柴賢二郎の流儀
~そよ風に吹かれて、ゆっくりと歩いていこう~
世の中に起きている不思議なことや、独り言などをゆる~く書き綴る
何の専門家でもない私が経済的自由を得て、人生のこと、世の中のこと、
幸せについてなど、一般庶民の目線で考える
2025年 最低賃金決まる
つい先日、私が暮らす県でも今年2025年の最低賃金が決定したとの報道があった。
国が定めた目安である63円がそのまま昨年からの上乗せとなりました。
私は誰かに雇用されて給料を受け取っている立場ではないし、誰かを雇っていて給料を支払う立場でもない。
そのため、最低賃金が今年は6%も上がることに対して、嬉しいとか、大変だ、といった実感があまりない。
ただぼんやりと、私が今からもう35年ほども前の大学生だったころは、時給は確か500円くらいだったなーなんてことを考えたくらいだ。
ここでいい機会なので、「最低賃金」というものについて知識を深めてみようと思う。
そしてそこから私が思ったことを最後に書かせてもらう。
そもそも最低賃金とは何か。
最低賃金は、日本国憲法25条(生存権)の「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有し、国はこれを保障する」という条文の趣旨を受けてできた「最低賃金法」という法律で決められるもの。
厚生労働省の中央最低賃金審議会(労使の代表と有識者でつくられる)が毎年夏に議論して目安を提示し、その後、都道府県ごとの地方審議会が目安を参考にそれぞれの金額を決め、10月以降に引き上げられる。
経営者は従業員に定められた最低賃金以上の賃金を支払わなければならず、支払わない場合には罰則がある。
最低賃金の推移
このグラフは、厚生労働省の最低賃金に関するデータ・統計から引用した数値をグラフ化したものだが、データのある1978年以降、右肩上がりに増えているのが分かる。
また、やはり私が貧しい大学生だった頃の時間給は500円ほどだったので、2025年の現在までに2倍以上になっている。
そしてこのグラフだけを見ているならば、1989年のバブル崩壊以降の失われた30年といわれる期間であっても、緩やかだが上昇している。
諸外国の最低賃金は?
諸外国は今、最低賃金はどのくらいなのかも見てみよう(データは2024年)。
アメリカ 2625円(1ドル=150円換算)
イギリス 2288円(1ポンド=200円換算)
ドイツ 2179円(1ユーロ=170円換算)
カナダ 1851円(1カナダドル=107円換算)
オーストラリア 2313円(1オーストラリアドル=96円換算)
韓国 1103円(1ウォン=0.11円換算)
日本が1055円(2024年)として比較すると、諸外国より相当低いことが分かる。
見るべきポイント その1「実質賃金」
実質賃金とは、実際に支払われた賃金(名目賃金)から物価の変動を差し引いたもので、実質賃金が高くなければ豊かだとは感じられない。
(社会実情データ図録より引用)
1990年から2023年までの、日本および諸外国の一人当たりの実質賃金の推移を表したグラフである。
諸外国は右肩上がりであるのに対して、日本は残念ながら30年間横ばいとなっている。
単純に、物価の上昇率と賃金の上昇率が同じということ。
見るべきポイント その2「国民負担率」
国民負担率とは簡単に言うと、実際の給料に対して、所得税・住民税・消費税などの税金と、年金・健康保険などの社会保険料の合計が占める割合のことである。
例えば、2023年の国民負担率は48.8%となっており、100万円稼いだとしても48.8万円は消費に使えないお金ということとなる。
(財務省の資料を引用)
上の図(1975年から2025年の期間)中の青い折れ線グラフが国民負担率を示す。
緩やかな右肩上がりとなっている。
これが何を意味するのかというと、給料が上がっても、それ以上に税金・社会保険料の負担が上昇しているため、実際の家計は毎年苦しくなっている、と言える。
また、国民負担の中身を見ると、税金の負担は多少の山谷がありながらも横ばいに見えるのに対し、社会保険料の負担は一貫して増え続けている。
将来の予測
最低賃金はこの先の将来、どうなっていくと予測されるのか。
経済状況・物価動向・労働市場・政治的判断によって左右されるものの、この先も上昇傾向となる見通しだ。
政府からは具体的に2020年代のうちに1500円を目標として掲げられている。
まとめ
以上、私なりに「最低賃金」についてまとめてみる。
最低賃金だけを見ると一貫して上昇しており、この先も上昇していくとみられている。
しかし、「豊かさ」が感じられないのはなぜか。
実質賃金としては上昇していない、さらに税金・社会保険料の負担率を表す国民負担率は上昇の一途をたどっているからだ。
「豊かさ」を感じるには、それらを上回る最低賃金の上昇が必要になってくる。
政府が掲げる目標もあり、また世界情勢からみても物価は今後も上がり続けるため、最低賃金もこれまで以上に上げていくことになるだろう。
企業にとっては人件費の高騰で苦しい局面が続くが、努力と工夫で乗り切ってほしい。
これはあくまで私見であるが、個人が豊かになろうとするなら投資することを考えるべきだ。
財政難に困り果てた政府が、どのような政策を掲げようと、結局お金がないため期待はできない。
企業に対して、もっと極端に賃金を上げろと要求するのも倒産する企業が増えるだけで、現実的ではない。
日本は2年ほど前から物価が上がり始め、長く続いたデフレから脱却し、もうインフレの局面に入っている。
この局面は一過性のものではなく、これから長く続くトレンドとなり、日本が再び強い国になろうとしていると、多くの専門家やアナリストは発信している。
このトレンドに上手く乗って資産を増やせるかどうかは、あなた自身が投資するか否かで決まるだろう。
※フリーマン柴賢二郎の著書をアマゾンで販売中です。
ドライブ・(ウィズ)・マイ・マザー | フリーマン柴賢二郎 | 小説・サブカルチャー | Kindleストア | Amazon