フリーマン柴賢二郎の流儀
~そよ風に吹かれて、ゆっくりと歩いていこう~
世の中に起きている不思議なことや、
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何の専門家でもない私が経済的・時間的・人間関係の自由を得て、
人生のこと、世の中のこと、幸せについてなど、
一般庶民の目線で考える
電気の送配電の仕組みとこれからの課題
私たちの生活は、照明、冷暖房、スマートフォンの充電、企業活動にいたるまで、電気なしでは成り立たない。
だが、その電気がどのように作られ、どのような経路で家庭や企業に届けられているのかについては、意外と知らない人が多い。
今回は、日本の電気の「送配電網」と、それを取り巻く現状と課題について見ていきたい。
発電の種類と特徴
電気の出発点は「発電所」である。
発電所では、エネルギーを「電気」に変える。
主な発電方法は次のとおりだ。
1,火力発電
石炭・石油・天然ガスなどを燃やしてタービンを回す方式で、日本の電力の約7割を担っている。
安定して大量に発電できるのが強みだが、二酸化炭素を多く排出するという環境問題がある。
2,原子力発電
核反応の熱で蒸気をつくり、タービンを回す。
発電コストが比較的安く、CO₂も出ない。
しかし、福島第一原発事故の教訓から安全性への懸念や、廃棄物処理の問題がつきまとう。
3,水力発電
ダムの水を落としてタービンを回す仕組み。
クリーンで安定しているが、大規模ダムの建設には自然破壊が伴い、地形に左右される。
4,再生可能エネルギー(再エネ)
太陽光、風力、地熱、バイオマスなどがこれにあたる。
CO₂を出さないクリーンな電源として注目されているが、天候や季節に左右される不安定さが課題である。
送配電の仕組み
発電所で作られた電気は、「送電線」を通って都市や地域に送られる。
しかし、発電所からそのままの電圧で電気を送ると、途中で熱として失われてしまうため、まずは「変電所」で電圧を非常に高くして長距離を送る。
これを「送電」と呼ぶ。
送電線は大きく分けて三段階ある。
・超高圧送電線(数十万ボルト)で大都市近郊へ送る。
・一次変電所で少し電圧を下げ、配電用変電所へ送る。
・配電線(6600ボルト)を通して、住宅街や企業エリアへ。
最後に、電柱に設置された**柱上変圧器(トランス)**で100ボルトや200ボルトに下げ、ようやく家庭や企業のコンセントへ届く。
つまり、電気は何度も「変電」と「分岐」を繰り返して安全に届けられているのだ。
送配電の担い手
以前は「東京電力」「関西電力」などの地域電力会社が発電から販売まで一貫して行っていたが、2016年の電力自由化によって、発電・送配電・販売の分業が進んだ。
現在、送配電部門は「一般送配電事業者」として独立し、中立的な立場で電気を運んでいる。
たとえば「東京電力パワーグリッド」などがその役割を担っている。
今後の課題と展望
電気の需要は、電気自動車(EV)やデータセンターの普及により、今後も増える見通しだ。
これに対応するため、再エネの導入拡大と送電網の強化が進められている。
特に再エネは、地方の山間部や海上などに設置されることが多く、発電地点と消費地が離れている。
そのため、送電線を新設したり、系統の混雑を解消したりする投資が欠かせない。
また、再エネの不安定さを補うために、蓄電池や**スマートグリッド(高度な電力網)**の導入も急がれている。
AIによる需給予測や分散型電源の制御技術も今後のカギになる。
電気料金の行方
電気料金は、燃料価格や為替、再エネ賦課金などに左右される。
特に天然ガスの高騰や円安の影響で、ここ数年は上昇傾向にある。
ただし、再エネ比率が上がり、エネルギー自給率が改善すれば、長期的には安定化が期待できる。
まとめ
電気は、発電・送電・配電という複雑なネットワークを経て私たちのもとに届いている。再エネの拡大やデジタル化により、この仕組みは今、大きな転換期を迎えている。
今後、環境に優しく、安定して安価な電力を供給できるかどうかは、技術革新と社会の意識にかかっていると言えるだろう。
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