春闘、最低賃金、実質賃金、労働分配率から暮らしの豊かさを考えよう

フリーマン柴賢二郎の流儀

~そよ風に吹かれて、ゆっくりと歩いていこう~

世の中に起きている不思議なことや、

ふと浮かんだ疑問などをゆる~く書き綴る

何の専門家でもない私が経済的・時間的・人間関係の自由を得て、

人生のこと、世の中のこと、幸せについてなど、

一般庶民の目線で考える

 

春闘、最低賃金、実質賃金、労働分配率から暮らしの豊かさを考えよう

わたしたちの暮らしに直結するのが「給料」だ。

そして給料をめぐってよく耳にする言葉に「春闘」「最低賃金」「実質賃金」「労働分配率」がある。

一見バラバラの話題のように見えるが、実は互いに関係し合いながら、私たちの生活を形づくっているのだ。

 

春闘 ― 給料を話し合う季節

春になるとニュースで「春闘」という言葉を耳にする。

これは、労働組合側と企業側が集まり、給料や労働条件について交渉する場のことである。

とくに日本では、大手企業がここで決めた賃上げの方向性が、中小企業や地域の労働市場にも波及していくことになる。

たとえば親が勤める会社が春闘で給料アップを勝ち取ると、家庭の収入が増え、住宅ローンの返済や子どもの教育費に少し余裕が出るかもしれない。

その影響は高校生にとっても「部活で遠征に行ける」「参考書を買える」といった形で表れることもある。

 

最低賃金 ― 社会の底上げ

一方で「最低賃金」は、国が「これ以下の給料では人を働かせてはいけませんよ」と決めるルールだ。

アルバイトやパートで働く人にとっては生活を直接支える基準だ。

 

東京都の最低賃金が1,100円を超えれば、マクドナルドやコンビニの時給も自然とその水準以上になる。

高校生のバイト代が1時間で50円上がるだけでも、1か月で数千円、1年で数万円の差となる。

これは「新しいスマホを買えるか」「修学旅行の積立を自分で出せるか」に直結する金額だ。

 

さらに、最低賃金の底上げは、家計全体にも影響してくる。

お母さんやお父さんがパートで働いている場合、最低賃金が上がれば世帯収入が増え、塾代や習い事代に回せる余裕ができることもある。

 

実質賃金 ― 物価との関係

しかし、給料が増えたとしても物価がそれ以上に上がれば、実際の生活は苦しくなる。

この「物価の変動を考慮した給料」を「実質賃金」という。

 

たとえばバイト代が1,000円から1,050円に上がっても、牛丼が400円から500円に値上がりすれば、働いた1時間で食べられる牛丼の数は減ってしまう。

 

家庭に置きかえれば、親の給料が月2万円上がっても、電気代・ガス代・食費・住宅ローンの金利負担が合計3万円増えれば、家計はむしろ苦しくなる。

親が「このところ出費ばかり増えてる」と嘆いているのは、実質賃金が減っていることの表れなのだ。

 

労働分配率 ― 企業と労働者の取り分

給料の源泉は、企業が生み出す利益だ。

この利益を「労働者にどれだけ回すか」を示すのが「労働分配率」である。

 

たとえば大企業が「過去最高益」とニュースで報じられても、親の給料がほとんど増えないことがある。

これは、企業が利益を「株主への配当」や「内部留保」に回し、労働者の給料にはあまり分配していないからだ。

 

もし労働分配率が高ければ、家庭の家計にゆとりが生まれ、住宅ローンを少し早く返せたり、子どもの大学進学に安心して備えられたりする。

つまり企業がどう利益を分け合うかは、直接「庶民の豊かさ」につながるのだ。

 

景気・金利との相関

さらに大きな視点で見れば、景気や金利も給料に影響する。

景気が良ければ企業の収益が増え、春闘で賃上げをしやすくなり、最低賃金の引き上げも進む。

一方、金利が上がると住宅ローンの返済額が膨らみ、家庭の負担が増える場合がある。

親世代にとっては「給料が上がってもローン返済で消えてしまう」という現実があり、それが家計全体のゆとりを奪ってしまうのだ。

 

庶民の目線で考えると

こうして見てみると、給料は春闘、最低賃金、実質賃金、労働分配率、さらには景気や金利といった要素が複雑に絡み合って決まっていることが分かる。

 

しかし庶民にとって大事なのは「数字として給料がいくらか」ではなく「実際にどれだけ安心して暮らせるか」にかかっている。

アルバイト代で好きな本やゲームが買えるかどうか、親が教育費やローンに追われずに家計をやりくりできるかどうか――それが生活の豊かさの実感につながるのだ。

 

つまり、経済ニュースで聞く言葉は決して遠い話ではなく、私たちの毎日の生活と強く結びついているのだ。

春闘や最低賃金の動きに目を向けることは、自分や家族の暮らしを考えることそのものだと言えるのではなかろうか。

 

 

 

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