フリーマン柴賢二郎の流儀
~そよ風に吹かれて、ゆっくりと歩いていこう~
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何の専門家でもない私が経済的・時間的・人間関係の自由を得て、
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日本経済は本当に弱いのか?―数字で見る「堅実な国・日本」
ニュースなどで「日本経済の低迷」や「財政赤字の深刻化」といった言葉をよく耳にする。
物価が上がっても給料が追いつかない、成長率が低い、国の借金が多い――。
こうした情報から、「日本は経済的に弱くなった」と感じている人も多いだろう。
しかし、世界全体の視点で見ると、日本は意外なほど「堅実で強い国」であることが分かる。
今回は、「世界最大の対外純資産国」「外貨準備高世界2位」「経常黒字国」「貯蓄超過」といった数字をもとに、その実像を考えてみたい。
■ 世界最大の「対外純資産国」
まず注目すべきは、日本が30年以上も連続で「世界最大の対外純資産国」であるという事実だ。
対外純資産とは、海外に持っている資産(企業の海外投資、外国債券など)から、海外への負債(外国人が日本に持つ資産など)を差し引いたもの。
つまり、海外にどれだけ「純粋な財産」を持っているかを示す指標である。
日本の場合、2024年時点でその金額は約400兆円を超える。
これは世界一であり、アメリカや中国、ドイツよりも多い。
要するに日本は、世界中にたくさんの資産を持つ「世界一のお金の貸し手国家」なのだ。
この強みは、万が一日本国内で経済的な問題が起きても、海外の資産から収入を得られるという安定感につながっている。
■ 世界第2位の「外貨準備高」
次に、日本は世界第2位の外貨準備高保有国でもある。
外貨準備とは、政府や日銀が外国の通貨(主にドル)や外国債券を保有している額で、為替の安定や国際支払いに使われる「国家の備蓄金」のようなものだ。
1位は中国だが、日本もその次に位置しており、国際的な信用力の高さを示している。
つまり、日本は「外貨が足りずに破綻するリスクが極めて低い国」と言える。
■ 世界第3位の「経常黒字国」
また、日本は世界第3位の経常黒字国でもある。
経常収支とは、貿易や投資などを通じて海外とのお金のやりとりを示す指標だ。
黒字であるということは、外国から稼いでいるお金の方が多いということ。
特に日本は、近年「貿易黒字」ではなく「第一次所得収支(海外投資からの収益)」で黒字を保っている。
つまり、モノを輸出して儲けるよりも、海外への投資で安定した収入を得ている構造に変化しているのだ。
これは、日本企業や個人が長年にわたって築いてきた海外資産の成果でもあり、先ほどの「対外純資産」とも密接に関係している。
■ 日本は「貯蓄超過」の国
もうひとつ重要なのが、「貯蓄超過」という構造だ。
貯蓄超過とは、国全体で見たときに「使うお金(投資)」より「貯めるお金(貯蓄)」の方が多い状態を指す。
日本では家計部門(個人)だけでなく、企業も内部留保として多くの資金を抱えている。国の借金(政府債務)は大きいものの、それ以上に国内には膨大な金融資産が存在する。つまり、日本全体では「お金を貸す側」に立っているのだ。
■ では、なぜ「日本経済は弱い」と言われるのか?
ここまで見ると、日本はかなり堅実な経済基盤を持っているように思える。
それでも「経済が弱い」と言われる理由は、成長力の低下にある。
GDP(国内総生産)の伸び率は長期的に低く、物価上昇率も他国より穏やか。
人口減少と高齢化により、消費や投資が伸びにくい構造になっている。
つまり、「お金を持っている国」ではあるが、「新しく稼ぐ力」が弱まっているのだ。
それに対し、アメリカやインドなどは人口が増え続け、新しい産業が次々と生まれている。
日本が今後も世界で存在感を保つためには、資産をどう活用して「成長の土台」を作るかが鍵となる。
■ 「堅実で慎重」な国、日本のこれから
まとめると、日本は「借金が多い国」というよりも、「資産が多く、外から稼ぐ力を持つ国」である。
確かに成長の勢いは弱まっているが、財政基盤や国際的信用力の面では、今なお世界有数の堅実国家であることは間違いない。
これからの課題は、その「堅実さ」を土台に、どうやって新しい経済のエネルギーを生み出すか――。
それが、日本の次のステージを決める大きなテーマである。
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