フリーマン柴賢二郎の流儀
~そよ風に吹かれて、ゆっくりと歩いていこう~
世の中に起きている不思議なことや、
ふと浮かんだ疑問などをゆる~く書き綴る
何の専門家でもない私が経済的・時間的・人間関係の自由を得て、
人生のこと、世の中のこと、幸せについてなど、
一般庶民の目線で考える
失われた30年の裏で積み上げられた力──日本企業がいま花開こうとしている理由
バブル崩壊後の日本は「失われた30年」と呼ばれてきた。
株価は長期低迷し、デフレが続き、成長率も伸び悩んだ。
象徴的なのが、1989年末に史上最高値をつけた日経平均株価である。
そこから長い停滞が始まった。
しかし、この30年を「何もなかった時代」と捉えるのは正確ではない。
むしろ企業は、表から見えにくい場所で、静かに、しかし確実に変化を積み重ねてきたのである。
第一に、徹底した体質改善である。
バブル期の過剰債務を処理し、不採算部門を整理し、財務基盤を強化した。
結果として、日本企業の自己資本比率は大きく改善し、内部留保も積み上がった。
批判もあるが、裏を返せば「嵐に耐える体力」を養ってきたということでもある。
第二に、技術力の深化である。
たとえば自動車分野では、ハイブリッド技術をいち早く実用化したのがトヨタ自動車である。
環境規制が強まる中、その技術は世界標準の一角を占める存在となった。
派手さはなくとも、基盤技術を磨き続けた企業は数多い。
また、電子部品や素材分野では、世界シェアを握る「隠れた王者」が存在する。
たとえば村田製作所は積層セラミックコンデンサで世界的な存在感を持つ。
最終製品ではなく、部品や素材という「縁の下」の分野で、日本企業は強みを発揮してきたのである。
第三に、グローバル展開の加速である。
国内市場が縮小する中、多くの企業が海外へ活路を求めた。
アジアを中心に生産拠点や販売網を広げ、収益源を多様化させてきた。
今や売上の過半を海外で稼ぐ企業も珍しくない。
さらに近年は、半導体や先端技術分野での再挑戦も始まっている。
たとえば熊本に新工場を建設したTSMCの動きは、日本の製造業復活の象徴と見る向きもある。
サプライチェーン再編の流れの中で、日本の技術基盤が再評価されているのである。
この30年、日本企業は派手な成長よりも「生き残る力」を磨いてきた。
コスト管理、品質管理、現場力、長期視点の経営。
短期的な株価上昇よりも、持続可能性を重んじる姿勢である。
それは時に慎重すぎると批判されたが、不確実性の高い時代においては強みとなる。
もちろん課題も多い。
賃金上昇の遅れ、新陳代謝の不足、デジタル化の遅れなどである。
しかし、それらを乗り越える土台は、すでに静かに築かれている。
いま世界は、地政学リスクの高まりやサプライチェーンの再構築という大きな転換点にある。
その中で「安定」「品質」「信頼」を重んじる日本型のものづくりは、再び光を浴びつつある。
失われた30年とは、本当に失われた時間だったのか。
むしろそれは、次の時代に備えるための準備期間だったのではないか。
派手な成長物語ではない。
だが、静かに積み上げられた技術、財務体質、現場力は簡単には崩れない。
それこそが日本の力であり、魅力である。
花は一夜にして咲かない。
長い冬を越え、地中で根を張り続けた企業群が、これから少しずつ花を咲かせる可能性は十分にある。
私たちは「停滞」という言葉だけで時代を総括するのではなく、
その裏側で積み重ねられた努力に目を向けるべきである。
そこにこそ、日本の底力があるのだから。
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