フリーマン柴賢二郎の流儀
~そよ風に吹かれて、ゆっくりと歩いていこう~
世の中に起きている不思議なことや、
ふと浮かんだ疑問などをゆる~く書き綴る
何の専門家でもない私が経済的・時間的・人間関係の自由を得て、
人生のこと、世の中のこと、幸せについてなど、
一般庶民の目線で考える
人口推計が示す日本経済の行方と投資家の活路
日本の将来人口推計は、長らく下方修正が続いてきた。
出生数は過去最低を更新し続け、2040年頃には労働人口の急減が本格化すると言われている。
これらの数字は、投資家にとって重苦しい材料に映りがちだ。
しかし、人口減少は「危機」であると同時に、構造的な「変化」であり、変化には必ず新しい需要と成長機会が生まれる。
本稿では、人口推計の現状とその活路を投資家の視点から読み解いていく。
◆ 1. 人口減少はなぜ投資家にとって“リスク”なのか
人口が減れば、消費市場は縮小する。
当たり前だが、物を買う人が減るのだから、企業売上も中長期的には下押し圧力を受けやすい。
また、働き手が減れば、企業は人件費上昇という「コスト増」に直面する。
つまり人口減少は、**需要の縮小圧力(売上低下)と供給制約(コスト上昇)**の両面から企業収益を圧迫する構造的リスクだ。
しかし、ここで重要なのは「人口減少=投資不適格」ではないという点である。
むしろ“人口が減るからこそ伸びる領域”がある。
その視点をつかめば、人口減少は投資家にとって大きなヒントになる。
◆ 2. 人口減少社会で伸びる3つの巨大市場
① 高齢化関連市場(ヘルスケア・介護・住宅改修)
高齢化率は今後も上がり続け、2040年には「高齢者人口がピーク」を迎える。
これは、医療、介護、健康管理、リフォームなどの分野で長期的な需要が確実に伸びることを意味する。
特に注目すべきは、
- 高齢者向け住まい(サービス付き高齢者住宅、リフォーム)
- 自立支援テクノロジー(介護ロボット、転倒防止センサー)
- 認知症ケアサービス
これらは国の政策支援とも合致し、投資妙味が高い。
② 労働力不足を埋めるDX・自動化技術
人口が減る一方、企業は事業規模を大きく縮小できない。
その結果、人手不足を埋めるための自動化・省力化投資は加速する。
例として、
- 倉庫ロボット
- 外食・小売の無人化
- 製造業の自動化システム(FA)
- 受発注のAI化
などが挙げられる。
これは単なるブームではなく、「人口減少が止まらない限り必ず増え続ける投資」であり、構造的な成長が期待できる分野である。
③ 地域再生・インフラ更新市場の拡大
人口減少と同時に、インフラの老朽化も深刻化している。
道路、橋、上下水道などは更新期を迎えており、国・自治体は大規模な修繕投資を避けられない。
人口減少だからこそ、効率的なインフラ再編やスマートシティ化の需要が増している。
建設、土木、インフラ管理DXなどは、長期で安定した投資対象となる。
◆ 3. 投資家が最も注意すべきは「人口ボーナスの消失」
これまでの日本企業は、「人口が増える=売上も自然に増える」という前提の恩恵を受けてきた。
しかしその前提は完全に消えた。
今後の企業は、“人口が減っても売上を伸ばす構造”を作れるかどうかが勝負になる。
投資家がチェックすべき指標は以下の3つである。
- 市場規模の伸びではなく、シェアの伸び(企業が顧客を奪えているか)
- 労働集約度の低下(省人化ができているか)
- 海外売上比率(国内依存度の高さはリスク)
「人口減少時代の勝ち組企業」は、これらの数字を改善し続けている。
◆ 4. 人口減少は“局地的な成長”も生む
人口減少は全国一律ではない。
大都市圏への一極集中は続いており、東京圏・名古屋圏・福岡などは依然として伸びている。
地方でも、
- 交通の便がよい都市
- 大企業の工場が集積する地域
- 外国人労働者が増えている地域
などは人口が横ばい・微増のケースもある。
不動産投資や地域関連株を検討する場合、“全国平均の人口減少”だけを見て判断するのは早計である。
むしろ、勝つ地域と負ける地域の差が拡大するため、投資家はミクロの人口動態を見る必要がある。
◆ 5. 投資家にとっての「活路」
人口減少という大きなテーマは、悲観して見ると視野を狭くする。
しかし、そこには次のような活路がある。
- 高齢化で伸びる安定市場に乗る
- 人手不足を逆手に取った省力化・自動化分野へ投資する
- 海外売上比率の高い日本企業を選ぶ
- 人口が維持される地域・産業に注目する
- 人口減少を前提とした“コスト構造の最適化企業”に投資する
人口が減るという事実は変えられない。
だがその変化に適応し、むしろ追い風にする企業が必ず現れる。
投資家は「人口減少=マイナス」の固定観念を捨て、構造変化の中にこそチャンスを見いだすべきである。
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