人口増加と経済発展の関係とは――なぜ高度経済成長は頭打ちになるのか

フリーマン柴賢二郎の流儀

~そよ風に吹かれて、ゆっくりと歩いていこう~

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何の専門家でもない私が経済的・時間的・人間関係の自由を得て、

人生のこと、世の中のこと、幸せについてなど、

一般庶民の目線で考える

 

人口増加と経済発展の関係とは――なぜ高度経済成長は頭打ちになるのか

 

人口増加と経済発展は本当に関係があるのか

 

人口増加と経済発展には、確かに一定の相関関係がある。

歴史を振り返れば、日本の高度経済成長期、中国の改革開放以降、東南アジア諸国の成長局面など、多くの国で人口増加と経済成長が同時に起きてきた。

 

人口が増えると、労働力が増え、消費市場が拡大する。

企業はモノやサービスを大量に売ることができ、投資が活発化する。

こうして経済全体が拡大していく。

この段階では、人口増加は経済成長の「強力なエンジン」として機能する。

 

しかし、ここで注意すべきなのは、人口増加は成長の条件の一つにすぎないという点である。

人口が増えても、雇用、教育、制度、インフラが整っていなければ、経済発展は起こらない。

人口は量であり、経済を動かすのは質だからである。

 

なぜ高度経済成長は続かないのか

 

多くの国で共通して見られる現象が、「高度経済成長はいずれ頭打ちになる」という事実である。

その理由はいくつかある。

 

第一に、成長の初期は“簡単な成長”だからである。

発展途上の段階では、道路を整備し、工場を建て、電気や水道を普及させるだけで生産性が大きく向上する。

先進国の技術を導入するだけでも、経済は急成長する。

しかし、これらは一度整えば終わりであり、同じ成長は二度と得られない。

 

第二に、需要が飽和するという問題がある。

テレビ、冷蔵庫、自動車、住宅といった耐久消費財は、行き渡った後は買い替え需要が中心になる。

新しい需要を生み出すには、より高度で付加価値の高い商品やサービスが必要となり、成長のスピードは自然と鈍化する。

 

第三に、人口構造の変化である。

高度成長期を支えた若年人口は、やがて高齢化する。

生産年齢人口が減少すれば、労働力も消費も縮小する。

これは日本が現在直面している典型的な課題である。

 

成熟経済に必要な視点とは何か

 

重要なのは、高度成長が終わること自体は「失敗」ではないという点である。

むしろ、それは経済が成熟した証拠でもある。

 

人口が増えなくなっても、あるいは減少しても、経済を維持・発展させることは可能である。

その鍵となるのが、生産性の向上であり、付加価値の創出である。

 

実際、ドイツやスイス、北欧諸国は、人口が急増していなくても高い経済水準を保っている。

彼らは量ではなく質で勝負しているのである。

 

人口と経済の本質的な関係

 

人口増加と経済発展の関係を一言で表すなら、こう言える。

 

人口は成長の「燃料」にはなるが、成長を決めるのは「エンジンの性能」である。

そして高度経済成長が頭打ちになるのは、燃料が尽きたからではなく、成長のステージが変わったからである。

 

これからの時代に必要なのは、人口の増減に一喜一憂することではない。

限られた人口で、いかに高い価値を生み出せるか。

その視点こそが、成熟社会を生きる私たちに求められているのである。

 

 

 

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