世界経済が右肩上がりを続ける理由——長期投資がオルカンに行き着くのは必然

フリーマン柴賢二郎の流儀

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世界経済が右肩上がりを続ける理由——長期投資がオルカンに行き着くのは必然

 

世界経済はなぜ長期的に成長するのか——長期投資家が結局オルカンに行き着く理由

 

世界経済は長期的に見ると右肩上がりで成長してきた、とよく言われる。

これは単なる楽観論ではなく、歴史的事実と経済の構造的な特徴から導かれる必然である。

本稿では、その根拠を深掘りしつつ、投資家が「結局はオルカン(全世界株式)」にたどり着く理由を整理していく。

 

  1. 人口増加が経済成長の土台になる

 

世界の総人口は長期的に増加してきた。

人口が増えるということは、労働力が増え、消費者が増えることを意味する。

消費が増えれば企業の売上が伸び、その結果として企業価値も上昇する。

 

もちろん、一部の国では少子化が進んでいる。

しかし、世界全体を見るとインドやアフリカ諸国を中心に人口は今後も増え続けると予測されている。

つまり、地域差はあっても、世界全体としては成長力を維持する構造になっている。

 

人口動態はもっとも長期的なトレンドであり、これが世界経済の右肩上がりのベースを支えている。

 

  1. 技術革新が経済の生産性を押し上げる

 

経済成長を語る上で欠かせないのが「技術革新」である。

歴史を振り返れば、蒸気機関、電気、自動車、コンピュータ、インターネット、AIと、大きな技術革新が経済を飛躍的に押し上げてきた。

 

技術革新が生産性を高めると、同じ時間でより多くの価値を生み出せるようになる。

企業の収益性は向上し、株主が享受するリターンも増える。

世界中の企業は日々競争にさらされているため、イノベーションは止まらず、経済全体のレベルは常に高まっていく。

 

つまり、技術革新は世界経済を押し上げ続ける「エンジン」なのである。

 

  1. 資本主義の仕組みが成長を促進する

 

資本主義は、企業同士が競争することで効率化が進み、価値が最大化される仕組みである。

競争に敗れた企業は市場から退場し、優れた企業が資本を吸収する。

これが資源配分の効率を高め、経済全体の成長につながる。

 

世界各国が程度の差こそあれ資本主義を採用している以上、企業活動は今後も最適化され続ける。

特に近年はグローバル化が進み、優れたビジネスモデルは国境を越えて広がるようになった。

その結果、企業の成長余地は以前よりもはるかに大きくなっている。

 

資本主義は「勝者がより強くなる」構造を持ち、これが指数関数的な株価の成長につながっている。

 

  1. 世界経済は部分的な停滞を織り込みながら成長していく

 

もちろん、世界経済の成長が常に直線的な右肩上がりというわけではない。

リーマンショック、コロナショック、戦争、インフレなど、短期的な下落要因は定期的に発生する。

しかし、歴史上のあらゆる危機を乗り越えても、株価指数は最終的に「過去最高値を更新し続けてきた」。

 

その理由は、世界中の企業が利益を生み続け、経済規模が少しずつ拡大していくからである。

短期の停滞は「ノイズ」であり、長期の成長は「トレンド」である。

だからこそ、投資では “長期目線” が極めて重要になる。

 

  1. 「どの国が伸びるか」を当てるのは困難

 

では、どの国の株式に投資すればよいのか。

これを精密に予測することは極めて難しい。

日本がかつて世界第2位の経済大国だった時代、誰がアメリカの独走を想像できただろうか。

中国が驚異的に成長する前、誰がその爆発的な発展を予測できただろうか。

 

どの国の株式市場が最も伸びるかを当てることは、プロでも困難である。

だからこそ、「国別で賭ける」投資よりも、「世界全体に分散して持ち続ける」方が合理的なのである。

 

  1. 結局のところ、長期投資家はオルカンに行き着く

 

人口増加、技術革新、資本主義、グローバル化。

これらが複合的に働き、世界経済は長期的に成長する構造になっている。

だからこそ、その成長の果実をシンプルに取り込む方法が有効になる。

 

それが、オルカン(全世界株式インデックスファンド)である。

 

オルカンは、先進国から新興国まで、成長する可能性のある企業を丸ごと保有する。

たとえどこかの国が低迷しても、別の国が補う。

入れ替わる世界の覇権を気にする必要がなく、人類の経済活動そのものに投資する形になる。

 

「世界全体の成長を取り込む」ことこそ、長期投資におけるもっとも確実性の高い戦略であり、最も合理的な選択である。

だからこそ、長期投資家の結論はいつも同じだ。

結局、オルカンが最良である、ということになる。

 

 

 

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