フリーマン柴賢二郎の流儀
~そよ風に吹かれて、ゆっくりと歩いていこう~
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何の専門家でもない私が経済的・時間的・人間関係の自由を得て、
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スマートフォンとつながる「マイナ保険証」 ― 便利さとこれからの課題
本稿は前回の続編という形でお読みいただけたらと思う。
2025年12月から、従来の健康保険証は廃止され、マイナンバーカードが「マイナ保険証」として統一的に使われるようになる。
この制度に加えて、政府は「スマートフォンでも保険証機能を使える仕組み」を進めており、2026年以降には順次実装される見込みだ。
つまり、マイナンバーカードを持ち歩かなくても、スマートフォン1台で医療機関の受付や薬局での本人確認ができる時代がやってくるのである。
■マイナ保険証とスマートフォンの連携とは
これまでのマイナ保険証は、医療機関や薬局の受付で「カードを専用端末にかざす」ことで本人確認を行っていた。
今後は、このカードをスマートフォンに“組み込む”ような形で使えるようになる。
たとえば、iPhoneやAndroidの「マイナポータル」アプリを通じて自分の保険証情報をスマホに登録し、顔認証などで本人確認を済ませれば、カードを出さなくても同様の機能が使えるようになる、という仕組みだ。
これにより、マイナンバーカードを持ち歩かなくても、スマホだけで受診できるようになる。
外出中にカードを忘れたり、紛失したりするリスクも減る。
特に若い世代やデジタルに慣れた層にとっては、利便性が大きく向上するだろう。
■期待されるメリット
スマートフォンとの連携によって期待されるメリットは大きい。
主に次の3点が挙げられる。
- 携帯性の向上
多くの人が日常的に持ち歩くスマホに保険証機能を内蔵できることで、カードを持ち歩く必要がなくなる。
財布を忘れても、スマホがあれば医療機関を利用できるという安心感が得られる。
- 医療情報の一元管理
マイナポータルと連携すれば、過去の診療記録、処方薬、検診結果などがスマートフォン上で確認できるようになる。
自分の健康状態を手軽に把握し、別の病院でも正確に情報を共有できるのは大きな利点である。
3,手続きの簡略化
転職や引っ越しで保険証が変わる際も、スマホ上での更新が可能になる見通しだ。
従来のように紙の保険証を再発行する手間が減ることで、行政コストの削減にもつながる。
■気になるセキュリティ面
一方で、スマートフォンと紐づけされることによるセキュリティ上の不安も無視できない。
たとえば、スマホの紛失や盗難時に個人情報が漏れるのではないか、という懸念だ。
しかし実際には、マイナ保険証のデータはクラウド上の政府システムに安全に保管されており、スマホ自体には直接保存されない設計になっている。
さらに、利用時には顔認証や暗証番号入力が必要で、他人が不正にアクセスすることは極めて難しい。
スマホの生体認証と組み合わせることで、セキュリティはむしろ従来より強固になると考えられている。
■導入までの課題
とはいえ、すべての人がスムーズに利用できるようになるまでには、いくつかの課題も残っている。
まず、高齢者やスマートフォンに不慣れな層への対応だ。
これらの人々にとっては、アプリの設定や本人確認手続きが難しく感じられる場合がある。
サポート体制を充実させ、自治体や医療機関で丁寧な案内を行うことが重要になるだろう。
また、医療機関側の対応も不可欠である。
スマホでの認証に対応するための端末整備や、システム更新の費用・手間が発生する。
特に中小の診療所では、その準備が遅れがちであるため、国による支援や補助が求められる。
■将来の医療のかたちへ
スマートフォンとマイナ保険証の連携は、単なる便利機能ではない。
日本の医療デジタル化を大きく前進させる第一歩である。
この仕組みが定着すれば、遠隔診療やオンライン処方との連携もスムーズになり、全国どこでも同じように医療サービスを受けられる時代が来るだろう。
紙の書類や手続きに時間を取られることなく、自分の健康情報を自ら管理する「スマート医療社会」への移行が進むのである。
■まとめ
マイナ保険証とスマートフォンの連携は、便利さと安心の両立を目指す新しい試みだ。
まだ制度設計の途中ではあるが、実現すれば、医療の受け方そのものが変わる可能性がある。
重要なのは、利便性だけでなく「誰も取り残されないデジタル化」を進めること。
テクノロジーが人の健康と生活を支える時代が、もうすぐそこまで来ている。
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