フリーマン柴賢二郎の流儀
~そよ風に吹かれて、ゆっくりと歩いていこう~
世の中に起きている不思議なことや、独り言などをゆる~く書き綴る
何の専門家でもない私が経済的自由を得て、人生のこと、世の中のこと、
幸せについてなど、一般庶民の目線で考える
ザ・おやじファイト(OFB)という世界
ボクシングは聞いたことがあっても、そこに「ザ・おやじファイト」という世界があることを知っている人は多くないだろう。
30歳以上の男性ならプロ・アマ問わず誰でも参加できるボクシングの世界だ。
年を取った中年のおじさんが、体力づくりの趣味程度でやっているのかと思いきや、実は本格的に、熱狂的に繰り広げられているのだ。
そんな、熱いハートを持ったおじさんたちのことを、少しでも世に広めるべく紹介したいと思う。
そしてそんな世界に魅了された私のいとこについても、あわせて書かせてもらいたい。
「ザ・おやじファイト」の概要としては、およそ以下の通り。
・30歳以上の男性であること
・プロフェッショナル、アマチュアを問わない
・ジム及び道場、スポーツクラブ等に所属しており日頃からボクシングの練習を行っていること
・試合は2分×3ラウンド
・年齢により10歳ごとにカテゴリー分けされる
・さらに各カテゴリーの中でも体重別に階級分けされる
・タイトルマッチ制度で王座を決定しており、チャンピオンベルトも授与されている
・2006年11月に第1回大会が開かれた
・試合は東京ほか、地方では札幌・静岡・愛知・石川・大阪・兵庫・福岡・佐賀・長崎・熊本で開催している
私がなぜ、この「ザ・おやじファイト」という世界を知ったのかというと、私のいとこ(48歳)が熱心にやっているからだ。
彼は母方のいとこだが、みんなそれぞれ離れて暮らしているが、いつの間にか親戚のなかでその話が広まった。
彼がいつ、どんな思いからこの世界に入ったのか、詳しいことは知らない。
しかし単なる趣味程度かと思っていたところ、いつの間にか年齢・体重分けされたカテゴリーの中で東日本チャンピオンになるまでになっていたとは驚いた。
ほぼ生まれた時から彼のことは知っているが、ボクシング、ましてやチャンピオンになるような人物ではなく、どちらかというと穏やかなタイプだった。
今でも、一見すると「やさしそうな普通のおじさん」だが、シャツを脱ぐとその鋼のように鍛え抜かれた身体がチャンピオンであることを納得させる。
数年前、彼が我が家を訪れ、二人で久しぶりに飲んで語ったが、彼の口からボクシングについて熱く話すことは一切なかった。
口数少なく穏やかに話す姿から、強い闘争心を持っていることなど想像できない。
そんな彼から先日連絡があった。
東京の後楽園ホールで試合があるとのこと。
この試合で西日本チャンピオンに勝てば日本統一チャンピオンになれるそうなのだ。
当然、応援しに行かないはずがない。
後楽園ホールの会場は独特な雰囲気を醸し出しており、ボクシングの応援だけに熱烈的な人達ばかりだ。
いよいよいとこが登場する。
マイクで名前が紹介され盛大な音楽とともに現れた彼は、派手に自分をアピールするわけでもなく、いつものように穏やかな出で立ちでゆっくりとリングに上がり、観客に一礼した。
相手は闘志むき出しで、見るからに自信満々だ。
試合開始のゴングと同時に両者からパンチが繰り出される。
フットワークを活かしながら相手のスキをうかがう。
彼は小柄だが、その動きの速さやキレのよさは、とても私と同年代の人間とは思えない。
この一瞬に全てをかけて闘っている姿に、思わず私も大きな声で彼の名前を叫んでしまう。
試合も残り時間がわずかになってくると、体力も限界となり、もう気力だけで闘っている。
感動がこみ上げ、体に力が入り、涙で目がにじむ。
結果は審判3人による2対1で勝利し、見事日本統一チャンピオンに輝いた。
試合終了後、彼に少しだけ会うことができた。
控室から出てきた彼は、ついさっき見た壮絶なファイトなど微塵も見せず、いつもの穏やかな彼だった。
「何歳まで続けるの?」
「やれるところまで、かな。」
帰りの道中、私の頭に松任谷由実の歌の1フレーズが流れた。
「何をゴールに決めて、何を犠牲にしたの? 誰も知らず・・・」
私はそんな彼をいつまでも応援したい。
9月に彼が我が家へ来るから、またゆっくり二人で飲むのが楽しみだ。