インフレ・戦争・金融危機でゴールドが買われる理由――「有事資産」としての本当の役割

フリーマン柴賢二郎の流儀

~そよ風に吹かれて、ゆっくりと歩いていこう~

世の中に起きている不思議なことや、

ふと浮かんだ疑問などをゆる~く書き綴る

何の専門家でもない私が経済的・時間的・人間関係の自由を得て、

人生のこと、世の中のこと、幸せについてなど、

一般庶民の目線で考える

 

インフレ・戦争・金融危機でゴールドが買われる理由――「有事資産」としての本当の役割

 

「有事になるとゴールドが買われる」。

投資の世界では半ば常識のように語られる言葉である。

しかし、なぜゴールドなのか。

その理由を正確に理解している人は意外と少ない。

 

結論から言えば、ゴールドは「信用に依存しない資産」だからである。

これが、有事においてゴールドが輝く最大の理由だ。

 

まず、インフレ局面を考えてみよう。

インフレとは、通貨の価値が下がる現象である。

物価が上がるということは、同じお金で買えるものが減るということだ。

紙幣や預金は、国家や中央銀行の信用によって価値が保たれている。

だが、過度な金融緩和や財政悪化が続けば、その信用は徐々に損なわれる。

 

一方、ゴールドは誰かの負債ではない。

中央銀行が刷ることもできなければ、政府の政策で価値がゼロになることもない。

通貨の購買力が低下する局面では、「通貨から逃げる先」としてゴールドが選ばれやすくなるのである。

 

次に、戦争や地政学リスクである。

戦争が起これば、国家間の秩序が揺らぎ、通貨や株式市場は大きく動揺する。

最悪の場合、資本規制や預金封鎖が行われる可能性もある。

こうした極端な状況では、「国境を越えて価値を認められる資産」が求められる。

 

ゴールドは数千年にわたり、世界共通の価値尺度として機能してきた。

どの国でも、どの文化圏でも、ゴールドはゴールドである。

この普遍性こそが、戦争という極限状態で信頼される理由だ。

 

金融危機においても事情は同じである。

リーマン・ショックのように金融システムそのものが疑われる局面では、「銀行に預けたお金は本当に安全なのか」という不安が広がる。

株式や債券は、発行体の信用不安とともに急落することがある。

 

そのとき、人々は「最終的に何が残るのか」を考える。

約束や契約ではなく、実物として存在し、誰の責任でもない資産。

それがゴールドである。

 

ただし、重要な点が一つある。

ゴールドは「危機で必ず儲かる資産」ではない。

価格は短期的には大きく変動するし、平時には株式のような成長性もない。

ゴールドの本質的な役割は、資産を増やすことではなく、壊さないことにある。

 

有事資産とは、恐怖が広がったときに人々が最後に立ち戻る場所である。

インフレ、戦争、金融危機――人類が何度も経験してきた混乱の中で、ゴールドが選ばれ続けてきた理由は、ここにあるのだ。

 

 

 

※フリーマン柴賢二郎の著書をアマゾンで販売中です。

サラリーマンは太陽光発電所を買ってお金の勉強をしなさい!: サラリーマンのあなたに贈る! 人生100年時代を賢く生き抜くためのガイドマップ | フリーマン柴賢二郎 | 金融・投資 | Kindleストア | Amazon

ドライブ・(ウィズ)・マイ・マザー | フリーマン柴賢二郎 | 小説・サブカルチャー | Kindleストア | Amazon

閉ざされた扉が開かれる時: 孤高の改革者が挑む魂を懸けた組織改革  反発と葛藤の末に掴む希望の光 | フリーマン柴賢二郎 | 小説・サブカルチャー | Kindleストア | Amazon

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA