なぜ今、ゴールドなのか？価格急騰の裏にある本質

フリーマン柴賢二郎の流儀

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なぜ今、ゴールドなのか？価格急騰の裏にある本質

ここ最近、ニュースやSNSで「ゴールドが過去最高値を更新」「金価格が急騰」といった言葉を目にする機会が増えている。

投資に詳しくない人でも、「何か起きているのではないか」と感じているのではないだろうか。

結論から言えば、ゴールド価格の上昇は一時的なブームではない。

世界全体が抱える構造的な不安が、静かに、しかし確実に金へと資金を向かわせているのである。

まず大きな要因として挙げられるのが、通貨に対する不信感だ。

私たちが日常的に使っているお金は、国が発行する「信用の塊」である。

金本位制が終わった現代において、紙幣は金と交換できるものではなく、国家と中央銀行の信用によって価値を保っているにすぎない。

ところが近年、各国は財政赤字を補うために大量の通貨を発行してきた。

その結果、インフレが進み、「お金の価値が薄まる」現象が現実のものとなっている。

インフレとは、物価が上がる現象であると同時に、通貨の価値が下がる現象でもある。

次に、地政学リスクの高まりも無視できない。

戦争、紛争、経済制裁、国際関係の緊張。

こうした事態が起きるたびに、株式や通貨は大きく揺れる。

一方で、ゴールドは「どの国にも属さない資産」として、逃避先に選ばれてきた歴史がある。

さらに注目すべきは、中央銀行自身がゴールドを買い続けているという事実だ。

各国の中央銀行は、自国通貨の信用リスクに備えるため、外貨準備としてゴールドを積み増している。

これは、「国でさえも紙幣だけを信じていない」ことの裏返しである。

ここで重要なのは、ゴールドが「儲かりそうだから買われている」のではない点だ。

ゴールドは利息も配当も生まない。

にもかかわらず選ばれる理由は、価値がゼロにならない資産だからである。

ゴールド価格の上昇は、世界が不安定になっていることのサインでもある。

つまり、今の金高騰は「強欲の象徴」ではなく、恐れと警戒の反映なのだ。

本シリーズではゴールドに関する記事を10本に分け、ゴールドとは何か、なぜ人類は数千年も金を信じ続けてきたのか、そして投資家としてどう付き合うべきかを、順を追って解説していく。

流行に踊らされるのではなく、本質を理解すること。

それこそが、ゴールド投資の第一歩である。

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