「老害」になりたくない――56歳から考える「成熟」とは何か

フリーマン柴賢二郎の流儀

~そよ風に吹かれて、ゆっくりと歩いていこう~

世の中に起きている不思議なことや、

ふと浮かんだ疑問などをゆる~く書き綴る

何の専門家でもない私が経済的・時間的・人間関係の自由を得て、

人生のこと、世の中のこと、幸せについてなど、

一般庶民の目線で考える

 

「老害」になりたくない――56歳から考える「成熟」とは何か

 

最近、「老害」という言葉をよく耳にする。

刺激的で、どこか刺々しい響きを持つ言葉である。

若い世代から年長者に向けられる批判として使われることが多いが、単に年齢が高いという理由でそう呼ばれるわけではない。

問題の本質は年齢ではなく、「態度」と「在り方」にありそうだ。

 

老害とは何か。

それは、過去の成功体験や価値観に固執し、それを無自覚に他人へ押し付けてしまう状態である。

自分の常識が唯一の正解だと信じ、新しい考え方を頭ごなしに否定する。

若い世代の挑戦に対して、「昔はこうだった」「それでは甘い」と水を差す。

こうした姿勢が積み重なったとき、人は「老害」と呼ばれる。

 

裏を返せば、年齢そのものが問題なのではない。

変化を拒む心が問題なのである。

 

人は年齢を重ねるほど、経験という武器を持つ。

失敗も成功も数多く味わってきた。

その経験は本来、社会にとって大きな財産であるはずだ。

 

しかし、その経験が「助言」ではなく「支配」になったとき、価値は一転して重荷になる。

 

では、老害にならないためにはどうすればよいのか。

 

第一に、「自分は間違うかもしれない」という前提を持つことである。

若い頃は、自分の未熟さを自覚している。

しかし年齢を重ねると、いつの間にか自分の判断に疑いを持たなくなる。

だが、時代は常に変化している。

テクノロジーも価値観も働き方も、十年前とはまるで違う。

自分の常識がすでに古くなっている可能性を、静かに受け入れる姿勢が必要である。

 

第二に、「教える」よりも「聴く」ことを意識することである。

人は年長になるほど話が長くなると言われる。

それは経験を語りたくなるからである。

しかし、本当に尊敬される人は、むしろよく聴く人である。

若い世代が何を考え、何に悩み、何を目指しているのかを理解しようとする。

その姿勢があるだけで、世代間の断絶は驚くほど小さくなる。

 

第三に、「役割を手放す勇気」を持つことである。

肩書きや立場にしがみつくと、人は保守的になる。

だが、時には前に出るのではなく、一歩引くことが美徳になる。

自分が中心でなくてもよいと認められる人は、老害にはならない。

むしろ、周囲から自然と頼られる存在になる。

 

理想とすべき姿は何か。

それは「若さを否定しない成熟」である。

若さには未熟さがあるが、同時に可能性がある。

成熟とは、その未熟さを笑うことではなく、見守り、必要なときだけ支えることである。

 

56歳という年齢は、まだ老いきった年ではない。

だが、若者でもない。

その中間に立つからこそ、自分の立ち位置を自覚することができる。

自分が正しいかどうかよりも、「自分は周囲を活かしているか」を基準にすることが大切である。

 

老害にならないための最大の方法は、実はとても単純である。

それは、「成長をやめないこと」である。

年齢を理由に学ぶことをやめた瞬間、人は過去の人になる。

本を読み、新しい知識に触れ、若い世代からも学ぶ。

そうした姿勢を持ち続ける限り、人は老害にはならない。

 

老いることは自然である。

しかし、固まることは選択である。

 

年を重ねるとは、硬くなることではなく、しなやかになることである。

風に逆らうのではなく、風を受け流す強さを持つこと。

それが成熟であり、理想である。

 

自分が老害かもしれないと心配できる人は、すでにその危険から一歩離れている。

大切なのは、今日もまた、自分を更新し続けることである。

 

 

 

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