「今から30分以内に電話を」――テレビ通販が“急がせる”本当の理由

フリーマン柴賢二郎の流儀

~そよ風に吹かれて、ゆっくりと歩いていこう~

世の中に起きている不思議なことや、

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何の専門家でもない私が経済的・時間的・人間関係の自由を得て、

人生のこと、世の中のこと、幸せについてなど、

一般庶民の目線で考える

 

「今から30分以内に電話を」――テレビ通販が“急がせる”本当の理由

 

テレビの通信販売を見ていると、決まって耳にする言葉がある。

「今から30分以内にお電話ください」

「本日限り」

「残りわずか」

である。

なぜ彼らは、これほどまでに視聴者を急がせるのか。

その背景には、単なる演出以上の、計算された理由が存在する。

 

第一の理由は、「考える時間」を奪うためである。

人は本来、買い物をする際に比較や検討を行う。

しかし時間制限が設けられると、その余裕が失われる。

冷静に「本当に必要か」「他に安い選択肢はないか」と考える前に、判断を迫られるのだ。

これは心理学でいう「認知的負荷」を意図的に高める手法であり、衝動的な意思決定を引き出しやすくする。

 

第二に、「希少性の演出」がある。

人は数量や時間が限られているものに価値を感じやすい。

「今だけ」

「あと30分」

という制限は、その商品が特別で、逃すと二度と手に入らないかのような錯覚を生む。

実際には同じ商品が翌日も、別の番組でも販売されているケースは少なくない。

それでも「今逃したら損をする」という感情が購買行動を後押しする。

 

第三の理由は、番組構成とコストの問題である。

テレビ通販は放送枠を購入して成り立つビジネスであり、時間はそのままコストに直結する。

短時間でどれだけ注文を集められるかが収益を左右する。

そのため、視聴者を即座に行動へ導く強い動機付けが必要になる。

「30分以内」という区切りは、注文を一気に集中させ、オペレーターや物流の効率を高める効果も持つ。

 

第四に、集団心理の活用がある。

「電話が殺到しています」

「回線が混み合っています」

という表現も、急がせる言葉とセットで使われることが多い。

他人が買っている、みんなが注目しているという情報は、人の判断に大きな影響を与える。

これは「社会的証明」と呼ばれ、多数派に従うことで安心を得ようとする人間の本能を突いたものだ。

 

しかし、こうした手法がすべて悪いわけではない。

テレビ通販は、商品を分かりやすく実演し、利便性を提供する役割も果たしている。

ただし、視聴者側がその仕組みを理解していないと、不必要な買い物や後悔につながりやすい。

 

重要なのは、「急がされている」と自覚することである。

「30分以内」と言われた瞬間に、一度立ち止まり、本当に必要か、自分の生活に価値をもたらすかを考える余地を持つことだ。

急がせる言葉は、売り手の都合であって、必ずしも買い手の利益ではない。

 

テレビ通販の決まり文句は、長年の経験とデータに基づいて磨き上げられてきた。

だからこそ強力であり、無意識のうちに私たちの判断を揺さぶる。

その裏側を知ることは、賢い消費者になるための第一歩である。

急がされる場面ほど、落ち着いて考える。

この姿勢こそが、情報過多の時代における最大の防御策と言えるだろう。

 

 

 

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